世界でも有名な浮世絵師、葛飾北斎があの大波の描写をマスターするために、膨大な時間を費やしていたことをご存知ですか?
こちらは北斎の最高傑作と言われる「神奈川沖波裏(かながわおきなみうら)」。
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日本人なら一度は見たことがあるこの作品。一度目にしたら忘れられないほどのインパクトがありますね。
そして、こちらは同じ神奈川沖合を描いた「賀奈川沖本杢之図(かながわおきほんもくのず)」。
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素人目から見ると少しだけインパクトに欠けるような・・・。それもそのはず。実は、北斎がこの絵を描いたのは40代の頃。
そして、「神奈川沖波裏」を描いたのは70代の頃なんです!
なんと、あの傑作に至るまでに30年もの歳月を費やしていたのです。
この事実を指摘した田中泰延さんさんはこうコメントしています。
表現物でも、仕事のプロジェクトでも、「ひとつのテーマで納得のいくまでやりとげたい」と思ったら、何度でも挑戦すべき。左は葛飾北斎が40代で描いた絵。右は70代に迫ってから描いた絵。30年間挑戦してついに完成系にたどりついたことがわかる。 pic.twitter.com/eZyoCkcmdV
— 田中泰延 (@hironobutnk) 2015, 7月 8
北斎は「あと5年あれば本物の画家になれた」と言い残し、89歳で亡くなってます。
後世に多大な影響を与える作品を数多く生み出してなおこの向上心。年をとっても前に進もうとする姿に、私たちも学べることがあるかもしれません。