世界水準の卓越したダンスパフォーマンスで、「和製マイケル・ジャクソン」と称される三浦大知。若干9歳で「Folder」のメインボーカルとしてデビューし、その後充電期間を経て、2005年にソロデビュー。日本武道館や横浜アリーナなどでの単独公演を成功させ、近年SNSを通じその才能に熱い視線が注がれている。11月23日に20thシングル「(RE)PLAY」(読み:リプレイ)をリリースする。そこで、三浦大知にインタビューをして、普段決めている7つのルールから、その内面を丸裸にします。
1.三浦大知オリジナルである
三浦さんの他の人にはないこだわり、普段決めているルールを教えてください。
そうですね・・・。
三浦さんが最も影響を受けたアーティストはマイケル・ジャクソンですよね。マイケルから受けた哲学といったものはありますか?
それはオリジナルであることです。マイケルはロック、バラード、ダンスナンバー、ファンクなど様々なジャンルの歌をうたいますが、どれもマイケルになります。子どもの頃からそんなマイケルをカッコいいと思っていたので、三浦大知もジャンルにとらわれず、三浦大知がやれば何でも三浦大知となれたら最高だなと思います。
三浦さんは昨年ソロデビュー10周年を迎え、来年30歳になります。マイケルのような存在に近づいているという実感はありますか?
まだまだですね。多分ずっと満足しないです。自分の可能性や期待が尽きないんですね。まだまだって言いながら死ぬんだと思います(笑)。
三浦さんでもそんな風に思うんですね。今、自分に何が足りないと感じますか?
自分の歌が嫌いになることもあれば、人間性が低いと感じることもあります。例えば、タクシーの運転手さんに「渋谷までお願いします」と普段は言ってるのに、機嫌が悪いとき「渋谷まで」と言ってしまったとき、あー器が小さいな、余裕のある大人にならないとな、と後悔します。劣等感は大事だと思います。
2.日本語の歌詞で世界に
三浦さんのパフォーマンスは世界でもトップクラスと評価されています。今年は日本のアーティストが世界で活躍する話題も多かったですが、三浦さん自身も「グラミー賞を獲りたい」と以前言っていましたよね。
目標として、日本語の音楽って面白いねって海外で言ってもらいたいというのが常にあります。もし日本語の音楽が普通に世界で聴かれ、世界中で認められるようになれば、日本人もグラミー賞を穫れると思うんです。
海外に打って出るには英語の歌詞が手っ取り早いと思うのですが、日本語の歌詞にこだわる理由は何ですか?
日本語には情緒や侘び寂びがあり、人の気持ちを表すのに長けていると思います。人間の気持ちって0か100かではないじゃないですか。嬉しい中にも不安があったり、苦しいときにも喜びがあったり。そんな人の気持ちを表現するのに、30や70で表現できるのは日本語の特権だと思います。
なるほど。
あと、自分自身が子どもの頃、海外の曲を聴いてカッコいいなと感じた。でも、意味は分からない。それでも良いと思えたのは事実なので、その逆があってもいいと単純に思います。それを三浦大知が生み出せたら最高ですよね。海外のファンの中には、日本語は分からないけど、三浦大知の歌を耳コピして日本語で歌ってくれてる方もいます。
3.物事を多面的に捉える
三浦さんのパフォーマンスは様々なアーティストから称賛されています。特に、親交の深いKREVAさんとはコラボ曲を出したり、ライブで共演したりしていますね。
KREVAさんから影響を受けたことは、物事を多面的に捉えるということが大きいです。KREVAさんは自分の意見をしっかり持っているけど考えが柔軟で、俯瞰でモノを捉えるから色んな人の気持ちに気付けます。これは、2009年に「Your Love」という曲でコラボしたときに感じました。
KREVAさんからそんな教えが。
ゴールを目指す中で、上手くいかないことって多いじゃないですか。そんなとき次にどうするのか、色んな角度から考えることがスゴく大切だと思います。
そうですね。
物事を多面的に見られるようになると、人に対して優しくなれます。例えば、自分が苦手な人がいたら、おそらく相手もそう思ってるんです。相手に何か嫌なことを言われたら、もっと嫌なことがあったのかもしれない。そういうことをちゃんと想像できる人でありたいです。これはエンターテイメントにもつながると思います。
4.筋トレをしない
三浦さんはライブで2時間半踊りっぱしですよね。もはやアスリートと同じだと思います。ライブをこなすための特別なトレーニングはしていますか?
筋トレはしないようにしています。声が出なくなるんです。
身体の筋肉と声って関係あるんですね。
昔、筋トレをしていたらハイトーンが出なくなって、整体にも精通する当時のボイストレーナーに相談したら、腕の筋肉が原因じゃないかと教えられまして。声帯と筋肉は繋がっていて、実際に筋トレを止めたら声が戻ったんです。
へー。
筋トレをしない代わりに体幹は鍛えます。外側は柔軟で内側はしっかり。これが僕のベストですね。南海キャンディーズの山里さんに「逆たこ焼き!たこ焼きだったら最悪」って言われました(笑)。
5.ルーティーンを作らない
三浦さんはゲンを担いだりしますか?
決まったルーティーンをあえて作らないようにしています。
それは何故ですか?
やらなかったときに、ネガティブな気持ちになりそうじゃないですか。以前はライブの前にダンサーと背中を叩き合ってたんですけど、一回それをやり忘れてステージに出たときがあったんです。だけど全く問題なかったんですよ、当たり前ですが(笑)。
それはそうですね(笑)。
「あれ今日やってない」みたいな気持ちに左右されるよりも、常にベストなパフォーマンスが見せられるように常にナチュラルでいようと思って、ゲンを担ぐことはなくなりました。
6.Folderのメンバーと刺激しあう
三浦さんは、今年の5月にFolderのメンバーだった女優の満島ひかりさんとNHKドラマ「トットてれび」第4話で16年ぶりに共演したのが話題になりましたね。
ひかりから突然電話掛かってきて、「チャップリンやってほしいんだけど」って。ひかりは女優としてリスペクトしてしてますし、いつか一緒に何か出来ればと思っていて。普通に考えてひかりの主演ドラマの主題歌を担当するのかなと思ってたんですが、まさか、ひかりが演じる黒柳徹子さんとチャップリンとしての共演だとは(笑)。
だははは(笑)。
あれは徹子さんがニューヨークで女優からテレビスターになる転換点で、チャップリンと出会うというシーンなのですが、ひかり自身にとってテレビに出るきっかけは三浦大知だったということで、話をいただきました。スゴく嬉しかったですね。
実際共演してみていかがでしたか?
初めてのドラマ収録だったので、緊張しました。ひかりから「大知らしくチャップリンやってくれればいいよ」ってアドバイスをもらったので、変に気負いせず楽しくやらせてもらいました。
満島さんを含め、Folderのメンバーの皆さんとはどんな関係ですか?
小さい頃から一緒で姉弟みたいな関係です。活躍しているのを見ると刺激されて、自分の力になりますね。ライブにも来てくれることもありますし、メンバーのグループLINEもありますよ。
7.「カッコいい」の最上級は「爆笑」
11月23日にシングル「(RE)PLAY」がリリースされます。1on1ブレイクダンスの世界大会「Red Bull BC One World Final 2016」のテーマソングですね。
今回、ダンサーに向けてのアンセムを作って欲しいとオファーを受けて作りました。「(RE)PLAY」、つまり繰り返すときって苦しいことが多いですよね。だけど、繰り返していくことこそが、自分の物語や生き様になっていくと思うんです。歌詞にその想いを込めたので、頑張っている人の背中を押せれば、一歩踏み出すきっかけになればと思います。
14人のダンサーと共演したミュージックビデオも見応えがありました。
見どころがたくさんありすぎて、何回もリプレイしたくなるというミュージックビデオを目指して作りました。ラストのスーパーダンサー全員のソロダンスは必見です。
https://www.youtube.com/watch?v=Ujvz6NIWExw
「カッコいい」の最上級は「爆笑」だと思っています。カッコよすぎるものを見ると、笑ってしまいますよね。三浦大知はそんな面白がってもらえる存在でいたいんです。楽曲制作チームやダンサーにとっても、常に遊び場でありたいと思っています。皆さんにこれからの三浦大知を楽しんで頂きたいです。