写真に写っているのは、旭山動物園(北海道旭川市)で飼育されているボルネオオランウータンの母リアンと娘モカです。モカは2015年2月5日に生まれました。オランウータンは基本的には群れをなさない動物です。母親が子育てをする期間だけ、母と子が一緒に生活します。それ以外は単独で生活をしていて、飼育されている部屋も別々だそうです。モカは生後およそ2歳と8ヶ月ですから単独でいることも多くなっていると聞いていましたが、この日はリアンに甘え放題でした。
オランウータンが展示されている施設です。
向かって右の奥に見えているのが飼育舎です。手前がオランウータン館という屋内展示場です。左側に見えるのが運動場です。野生のオランウータンの生活はほとんど樹上で完結してしまうそうです。そのようなオランウータンの行動を見てもらうためにこの運動場は作られています。
飼育舎に出ているオランウータンは、飼育舎の中にある塔のてっぺんまで梯子を上っていきます。そこから、塔と塔の間にある橋やロープをつたわって運動場まで移動します。運動場にはブランコやたくさんのロープなどの遊具があります。
旭山動物園で飼育されているオランウータンは全部で4頭です。モカのお父さんのジャックとお兄さんのモリトがいます。4頭のオランウータンは、飼育舎と運動場を1日に何度も行き来します。11時45分には”モグモグタイム”といってお昼ご飯の時間があります。この時間になると、運動場にいるオランウータンは呼ばれなくても自分で飼育舎に戻ってきます。
今日の主役モカです。
まだあどけなさが残っています。運動場の球の形に作られている鉄棒のところにいます。何かを考えているようなこの表情。一体何を考えているのでしょう。
お母さんのリアンです。
リアンは20歳です。モカが近くに来るとき以外はじっとしていてあまり活動的ではありません。しかし、モカが近くに来て甘えると優しく面倒を見てやります。そして、モカが危険な目に合わないように見守っています。
モカはリアンの毛をしっかりと握っています。
ここは運動場の塔の下です。コンクリート部分に置かれたモカの餌をリアンが食べています。リアンは、自分が水の中に落ちてしまわないようにしっかりとお母さんにつかまっています。
運動場から飼育舎へ移動
モグモグタイムを前にして、リアンとモカが飼育舎に戻ろうとしているところです。橋から落ちてしまわないように、モカはリアンにしっかりとつかまっています。オランウータンはヒト科の動物ですが、モカのこの行動は人間のこどもそのもののように見えませんか。
この日は曇り空だったため、空はどんよりと曇っていて白っぽくなっています。
モグモグタイムのあと、運動場へと誘うモカ
モグモグタイムのあと、モカはリアンにおんぶして甘えています。言葉がある訳ではないのに、モカはリアンに、「運動場に行きたいよぉ!」と伝えているのです。リアンはそのことをちゃんと理解しているのです。なぜって...。
リアンはこのあとモカを連れて運動場へと移動しました。リアンは、どのようにしてモカの気持ちを受け取っているのでしょうか。
再び、運動場から飼育舎へと戻ります。
運動場から飼育舎に戻る時、今度は先ほどと違ってロープをつたわって戻っています。モカはもう自分でロープを渡っていくことができるのに、この日はリアンにぴったりとくっついて甘えています。リアンもモカの面倒をよく見ています。親子の間の愛情を感じずにはいられません。
もうすぐ飼育舎到着です。
もうすぐ飼育舎に到着です。モカはリアンがいてくれることで安心して渡っているのでしょうね。
リアンとモカが屋外にいる間、ジャック(父)とモリト(兄)は、屋内のオランウータン館か寝室にいます。時間によって展示される場所が入れ替わります。
リアンとモカを見ている間は、単にオランウータンという動物を見ているというよりも、”こどもの様子を優しく見守り、必要な時には優しく面倒をみる母”と”母親に全幅の信頼をおいて甘える娘”の様子を見せてもらっているような気持ちになってしまいます。動物園でオランウータンを見ている人たちが、なかなかこの場を離れないでいる理由も同じなのではないでしょうか。
使用している写真の中で、運動場と飼育舎が写っている写真は、別の日に撮影したものです。
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