風が吹けば桶屋が儲かるなどと言われるように、一見なんの関係もないような事象が、実は繋がっていた、ということはよくある。もちろん、全く関係のないことを無理やり繋ぎ合わせたと言われることも多いが、今回ご紹介するのは、コピーの紙詰まりがなくなったことで犯罪が減少したというお話。さてこれは本当に繋がっているのか、それとも単なるこじつけか?
ーコピー機の紙詰まり解消が世界を救う!
コピー機の紙詰まりと犯罪を結び付けて主張しているのは、コピー機会社で有名なゼロックス。
日本では富士ゼロックスというゼロックスと富士フィルムホールディングスとの合弁会社によりその名を知っている人も多いだろう。コピーすることを「ゼロックスする」というくらいにコピー機といえばゼロックスだった時代があった。
そのゼロックスのエンジニア達が「90年代中盤にシカゴの犯罪率を下げたのは私たちです!」と主張しているのだ。
彼らのストーリーはこうだ。
90年代中ごろ、少年犯罪を扱う裁判所に派遣されたエンジニアのジョン。この裁判所ではコピー機やプリンターは裁判にとって重要な機材だった。なぜなら、原告側の弁護士は被告側弁護士に裁判資料をある一定の期限内に提出しなければならず、それがなされない場合は、被告が釈放されてしまうことがよくあった。
実に3回のうち2回は書類の提出が間に合わず、罪を犯したかもしれない人間をただ、世に放ってしまうという事態が起こっていた。当時は今よりもちろん機材も優秀でなく、コピー機やプリンターの紙詰まりがよく起こった。また、その紙詰まりを直すのも時間がかかり、そのためにいくつもの事件を逃してしまったという。
さて、そんな問題のあるコピー機の調査に派遣されたエンジニアのジョン。彼はすぐにその紙詰まりの原因を見つけ出した。
「ゼロックス機だけに問題があったわけではありませんでした。問題は利用している紙だったんです。彼らはゼロックス純正の紙を使わずに、かなり質の悪い安い紙を利用していたんですよ」
つまり、純正でない質の悪い紙を使用することで、紙詰まりが起こり、犯罪を抑止できなかったというのだ。
ゼロックスのエンジニア達は派遣先でコピー機の紙詰まりを修理すると同時に、もちろん、機械自体の性能も向上させていった。
さて、実際の犯罪率はというと、下のグラフを見てほしい。横軸が年、縦軸が殺人事件の件数である。なんと、1994年から殺人事件の件数が次第に減ってきている。
これがゼロックスでの紙詰まりが解消されたからとエンジニアは主張しているのだ。因果関係は確かではないが、確実に裁判所ではスムーズなやり取りができるようになったことは事実だろう。
この件について犯罪学者は特に因果関係を認めておらず、またシカゴ警察はコメントをしていない。
―海外の反応
・ こういうの好き。データを好き勝手に分析して都合のいいように解釈するってところ。
・ たとえゼロックスが原因でなくてもこの下がり方は何かあったに違いない!もちろん、本当にゼロックスかもしれない!
・ もっと納得できる理由はないのか?
・ 原因って一つではないでしょ。
・ 一つの要因ではあっても、それだけが理由ではない。
・ この話は本当だと思う。紙詰まりで時間を無駄にしたことがあるし、紙詰まりしなかった日は仕事がスムーズだった。
・ 今はペーパーレスだからそもそもそういうことは起こらない。
・ 「相関関係は因果関係を含意しない」っていうし。
・ この二つは全然関係ないと思う!
https://www.reddit.com/r/nottheonion/comments/7wvg8p/xerox_engineers_say_chicago_crime_rate_fell_after/
(秒刊サンデー:南ロココ)