日本には各地に名物やご当地グルメが存在するが、本当に地元に愛されるのは『B級グルメ』と呼ばれる食べ物かもしれない。名古屋を訪れた際に、そんなB級グルメ『あんかけスパ』を食する機会があった。一見ナポリタンに見えるようなこの食べ物は、名古屋人にとっては当たり前の懐かしい味かもしれないが大阪人にとっては衝撃的な味だった。
ー 1995年から続くあんかけスパの老舗『あんかけ亭』
訪れたのは名古屋駅からほど近い名鉄レジェックにある老舗『あんかけ亭』。
1995年開業のこの店は地元人に愛される変わらぬ味を提供し続けているとの事だ。
店の面構えは何とも言えない懐かしい雰囲気を醸し出す。
嘘か本当か、あんかけスパは名古屋のジャンクフードだと聞いた事がある。
しかしこの店のあんかけスパは健康志向のようで、イオン水や天然塩・厳選野菜などを使っているようだ。
「食べて健康!!」がモットーという事でジャンキーな食べ物ではないらしい。
店に入ると対応してくれるのは気のいいお姉さん。
メニューに目をやると、なんとまあえらい種類のバリエーション!
色々なトッピングを組み合わせてあるようだが、中には解読不能なメニューもある。
ーミラネーズって何?バイキングって何?
地元人には馴染み深い名前のようだが、大阪人の自分には写真とトッピング内容の注記が無ければわからない。
なんだろう、この異国感。日本国内なのに一気に外国人観光客の気分だ。
ミラネーズはイタリア料理っぽいから命名されたとwikipedia先生が教えてくれたが、バイキングとオリーブの謎は深まるばかりである。
メニューにはライスバージョンもあるようだ。
米は十六穀米を使用している様子。
ー ハムエッグと海老タルタルをオーダー → えびふりゃあがシャチホコの如く!
待つこと暫くしてオーダーしたハムエッグあんかけスパと海老タルタルあんかけスパが運ばれてきた。
太い麺にトロッとした餡が絡んだその上に積み上がるカラフルな野菜、
そしてシャチホコ・・もとい、えびふりゃあ!
後から聞いた話だが、別に名古屋人が海老フライの事を「えびふりゃあ」と呼んでいるわけではないらしい。
海老フライがシャチホコのような使われ方をされたり、
名古屋弁を茶化したりして他府県の人間が勝手に付けた呼称のようだ。
店で調子に乗って「えびふりゃあ」を連呼し、帰阪後にこの事実を知った時のやるせなさと言ったら。
さて、お味の方は・・・『なにこれ!?』
衝撃的な味だった。
ー パスタのようでパスタでない、ジャンキーな味わい
お味はと言えば、完全に新体験の味だが美味だった。
太い麺は茹でた後に油で炒めてあるそうだ。
麺のこってり感、そして麺に絡みつくイタリアンと和食の間の子のような餡。
油たっぷりの麺にトロリとした餡が絡まって喉越しが良い。
餡は胡椒の味がよく効いていたのが印象的だった。
麺と餡がこってり気味だけに野菜の甘みやさっぱり具合がいい。
味自体はシンプルなので、途中から海老フライのタルタルソースが絡むと更に濃厚で複雑な味わいとなりフォークが進む。
SSサイズ(150g)という事もあり、あっという間に完食!
2時間前に新大阪で味噌ラーメン葱めしセットを食べていなかったら普通サイズ(400g)に挑戦できたかもしれない。
22年続く地元人に愛されるあんかけスパを食べるなら、おすすめの店だ。
名古屋を訪れる際にはぜひ一度足を運んでみては?
あんかけ亭住所:愛知県名古屋市中村区名駅南一丁目25番2号 名鉄レジェック 3Fアクセス:名鉄名古屋駅より徒歩約4分店舗URL:https://www.lejac.jp/shop/ankaketei/営業時間:月~金・土・祝 11:00~21:00(L.O.20:00)日 11:00~15:30(L.O.14:30)定休日:不定休備考:11時~13時は禁煙 / テイクアウト可能(容器代 別途80円)
(秒刊サンデー:槙島)