人間は死から逃れる事は出来ない。万人に等しく訪れる永遠の眠りを迎えた後は、人間として尊厳を持って見送られるのが幸せというものだろう。しかし、『尊厳を持って見送られる』とは一体何を指すのだろう?ネットでは長野県上田市にOPENした新たなスタイルの葬儀場「上田南愛昇殿」について様々な意見が飛び交っている。意見の的となっているのは、恐らく葬儀場として画期的な仕組みとなる『ドライブスルー方式の車上焼香システム』についてだ。ー 車上焼香システムとは
「車上焼香システム」は文字通り車を降りる事なく焼香が出来るシステムだ。弔問客は車中から葬儀場に設えられた小さな窓経由で焼香を上げる事ができる。焼香は自動焼香システムを使い車中から行えるような。焼香のほか、窓口に備え付けのタブレット端末に参列者名や住所を入力し香典を渡す事もできると日本経済新聞は報じている。
車に乗ったまま葬儀に参列できるドライブスルー形式の葬儀場が、全国で初めて長野県上田市に完成しました。足腰が弱ったお年寄りでも焼香できるようにとの配慮です。ー 日本経済新聞 電子版
12月15日
ー 内覧会が12月15日に開催され多くのメディアが報じた事でネットでも反響が
上田南愛昇殿は12月17日のOPENに先立ち、12月15日に内覧会(OPEN見学会)を行った。見学会チラシには「国内初!車上焼香システム(ドライブスルー方式)」の見出しがあり、抽選会や無料の屋台軽食コーナーが設置されるなど盛大なものとなったようだ。一方でネットでは『ドライブスルー葬儀場』なるワードが話題になり、上田南愛昇殿についての様々な意見が飛び交った。
長野の葬儀場のドライブスルー焼香、意外とちゃんとした趣旨だった。ー おりた
12月15日
今年、葬儀であれやこれや大変な思いをしたが、こんなやり方もあるのかと思うと、あの苦労はなんだったのか、という気分にもなる。ー Kazuto Suzuki
12月15日
ドライブスルー葬儀場いいと思うけどなぁ
12月15日
どうしてもお葬式に出られない人も、少しでも手を合わせられるようになるし、亡くなった人もほんの少しでも手を合わせてもらえれば嬉しいんじゃないかと思うー プレナ
ドライブスルーの葬儀場ができたそうで、 ちょっと びっくりした。歩けない方には いいだろうけど、 窓から お焼香している様子を見て どうなんだろうと思う。気持ちなんでしょう 大事なのは。ー Yukiko
12月15日
長野県上田市でドライブスルー葬儀場……
12月15日
車の中からご焼香してるwwwwwシュールwwwwwー かえる
ドライブスルー葬儀場と聞いた時、日本のこれからに絶望し、今の日本の在り方に愕然とした。どれだけ仏様や死者を愚弄するのか。だったら来れないと言ってもらいたい。むしろ家族の法事や葬儀にドライブスルーで来てほしくない。巫山戯てる。ー きなこ@バリムシャァ
12月15日
https://twitter.com/barba___ra/status/941651561725378560ー Yukiko
12月15日
長野県上田市に、ドライブスルー可能な葬儀場が出来たと。障がい者、高齢者、多忙な人など、参列が難しい人への対応だとか。うーん、障がい者や高齢者は葬儀の参列が難しい場合は確かにあるけど、だからってドライブスルーは方向性がおかしい。
12月15日
#ANNー miu
何だかこんなのなら 参列しない方がいいような、、、
12月15日
事情があるとしても
ドライブスルー葬儀場って
#ドライブスルー
#葬儀場ー 花より団子(笑)
上田南愛昇殿の運営会社は「高齢化や身体障害のある方でも葬儀に参列できるようにという配慮からのアイデア」「ドライブスルー化は(葬儀の)簡略化の為ではない」と同紙にコメントしている。確かにこのアイデアにより、これまで葬儀に参列できなかった方が葬儀に参列できるようになる事だろう。賛成派の意見は運営会社の意図を汲み、葬儀の新しい形を受け入れる人のコメントだ。
一方でこの斬新なアイデアを「葬儀のあり方としては受け入れられない」と捉える人もいた。そういった人達のコメントからは『ドライブスルー葬儀場は尊厳を持って見送られる葬儀の在り方とは違うように感じる』というニュアンスが伝わってくる。中には「このような葬儀なら参列しない方がいい」「ドライブスルーは方向性がおかしい」との厳しい意見も飛び出した。
ー 結局のところ、どうなのか
結局のところ、今の時点では賛否両論であるとしか言いようがないだろう。斬新なアイデアを伴うサービスはいつの時代もリリース直後に物議を醸すものだ。冷水にいきなり浸かる事を多くの人は躊躇う。ひょっとすると、上田南愛昇殿が打ち出した新たなサービスは冷たい水にいきなり浸かるようなものなのかもしれない。
上田南愛昇殿運営会社は日本経済新聞に対して「最初は不謹慎という声もあったが、時間の経過と共に高齢者や障害者の為になる事を考えてくれたとの声が圧倒的。時代に合わせて葬儀も変化してゆく必要がある」とコメントしている。この斬新なサービスが今後、高齢者を迎える日本の社会に、そしてマジョリティとマジョリティが平等に機会を得る事のできる社会で需要を伸ばしてゆくのかどうか、注目してゆきたい。
画像掲載元:株式会社 レクスト・アイ(上田南愛昇殿公式サイト)、いらすとや
(秒刊サンデー:槙島)