はじめに


2017年8月26日に開館する「富山県美術館」。1981年の開館以来、20世紀初頭から現代に至る美術の流れを“世界・日本・富山”の3つの視点から展望する美術館として展開してきた「富山県立近代美術館」が、「富山県美術館」として名称を新たに、富岩運河環水公園西地区に新築移転されます。3/25(土)、26(日)には一部開館を記念したイベントが開催され、その全貌の一端を垣間見られます。近代美術館の理念を継承し発展させるとともに、これまで以上にデザインの視点を取り入れ、“アートとデザインをつなぐ”美術館を目指す「富山県美術館」、略称「TAD」に今から注目です。

美意識と感性が目を覚ます!アートを体感する美術館


富山県といえば、ダイナミックな風景がなんといっても魅力的。そんな富山を代表する絶景、立山連峰を美術館から一望することができます。“世界一美しいスタバ”があることで有名な富岩運河環水公園西地区に位置し、美術館はガラス張りになっているので、中からでも存分に景色を愉しむことができるんです。

どこから先が公園で、どこから先が美術館かわからないような、“公園と一体化した美術館”を目指していて、建物をぐるりと囲む大階段からはそのまま屋上へ足を運ぶことができ、公園を散策するような気軽さで美術館を周れます。

また、富岩運河環水公園から続く、いたち川沿いの道は美術館へのプロムナードとなっています。“千年の桜並木”のほか、屋根付きベンチを備えた広場や、手作りのクラフトやアート作品などを自由に発表できる「アートワゴン(屋台)」などを設け、日々のお散歩コースとしてもアートが味わえます。

アート好きな方はもちろん、ちょっとしたおでかけとしてでも訪れやすいスポットになっているんです。

新しい美術館にクリエイターが集結!


建築家・内藤廣氏やグラフィックデザイナー・永井一正氏、“ANIMALS”で知られる彫刻家・三沢厚彦氏といったそうそうたるクリエイターが建物の設計やデザインに参画している点もこの美術館の注目ポイント。また、開館告知のポスターは、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏がデザインを、美術館の総合受付や監視員が着用するユニフォームは、デザイナー・三宅一生氏がデザインをしているというこだわりよう!

「TADギャラリー」では、そんなクリエイターたちの感覚を存分に感じられるように、彼らのインタビュー映像を流したり、壁にコメントをこれでもか!というくらいずらりと並べ、もう片方の壁一面にはコンテや設計図を展示しています。部屋の中心には美術館の木模型や構造模型を展示していて、臨場感を楽しめるような造りになっています。

至る所に散りばめられた“こだわり”


2階と3階にはそれぞれ展示室があり、日本有数のコレクションが飾られます。20世紀美術を中心とした展示会はもちろん、アートやデザインを感じられるさまざまな企画展を開催する予定だそう。2階にある、高さ11メートルの吹き抜けになった空間“ホワイエ”では、コンサートやトークショーなどのイベントも展開していく予定だとか。

建物の中央をつらぬく中央廊下には、壁にも天井にも県産の“ひみ里山杉”が使用されていて、木の温もりと、心地よい静けさを感じる癒しの空間になっています。また、美術館は足もとから天井まで一面がガラスの壁面になっているので、作品の世界にひたることはもちろん、光あふれる空間でゆったり過ごしてみるのもおすすめです。

中央廊下を通って奥に行くと、野外広場があります。ここでは、広い空間を生かしてイベント等を行う予定だそうで、彫刻家・三沢厚彦氏の、クマをモチーフにした新作も展示されます。高さ3mほどあるクマは美術館のシンボルとして、目印や待ち合わせ場所なんかにも利用してほしいそうですよ。

思いもよらないワクワクする仕掛けが満載


ポスターや椅子のコレクション、アトリエにキッズルームなど、創作のヒントが満載の3階。特に注目したいのが、80インチの大型液晶画面が5台並べられた空間です。液晶画面には美術館に貯蔵する13,000点のポスターのうち、3,000点の作品がランダムに並べられていて、ピックアップをしてひとつの作品を大きく見られるようにもなっています。近付くとタッチパネルのボタンが現れ、自分の動きに合わせてボタンがついてくるような仕組みも。テーマやカラー、デザイナーなどで検索をかけることも可能で、さまざまな作品をこの5台の大型ディスプレイで愉しめます。

チームラボといっしょに考えた仕組みとのことで、5台の液晶が右から左へ連動する動作や、ポスターの動きのパターンなど、こだわりを感じられる空間です。

3月25日(土)、26(日)に一部開館記念イベントが!


全面開館に先駆けて、3月25日(土)に一部開館を行い、記念イベントが開催されます。一部開館は2F、3Fの展示室および、オノマトペの屋上を除いたすべての部分とのことで、アトリエやレストラン、カフェを楽しむことができますよ。

富山県美術館一部開館記念イベント「TADドキドキ祭」
3月25日(土)13:30~17:00
3月26日(日)10:00~17:00

会場:富山県美術館、美術館プロムナード(参加無料)

◆富山県美術館
住所:富山県富山市木場町3-20
電話番号:076-431-2711


「富山県美術館」公式ホームページはこちら


 



情報提供元: 旅色プラス