はじめに


国内旅行が増えている今こそ、世界に誇る日本の魅力を再発見してみませんか? 2020年現在、日本国内の世界遺産登録数は文化遺産19、自然遺産4の合計23にも上ります。なかでも“絶景”が自慢の名所なら、その迫力に日々の疲れも一気にリフレッシュできるはず! 旅色が厳選した、パワーを感じられる絶景自慢の世界遺産をご紹介いたします。

Text:ART&旭

刻々と表情を変える日本のシンボル[富士山]


日本の象徴であり、国内最高峰の富士山。日本人と密接な関係を持つ信仰の対象であることや、葛飾北斎ら浮世絵の題材になるなど文学・芸術に多くの影響を与えたことから、「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されました。
秋から冬の期間は、日出や日没時に富士山頂に太陽が重なってダイヤモンドのように輝く「ダイヤモンド富士」を見ることができます。富士山と光輝く太陽が作り出す光景は、まさにパワーを感じる自然の芸術。四季折々、刻々と景色が変わる富士山には、美しい姿をシャッターに収めようと全国から多くのファンが訪れます。

住所:山梨県南都留郡鳴沢村字富士山
電話:055-223-1316(山梨県観光文化部世界遺産富士山課)、0544-21-3220(静岡県富士山世界遺産センター)
登録年月:2013年6月

生命の息吹が宿る神秘的な島[屋久島]


九州本土の最南端、佐多岬から南に約60kmのところにある小さな島。九州で最も高い山、宮之浦岳(標高1,936m)が位置する「山の島」でもあります。1993年、白神山地とともに日本で初めて自然遺産に登録されました。
山々は樹齢7200年以上の縄文杉や、約1,500種類の豊かな固有種に覆われ、島全体の約20%が自然遺産地域となっています。有名アニメ映画「もののけ姫」の舞台にもなったといわれ、うっそうとした森の中を約5、6時間かけてトレッキングするツアーも人気を集めています。奥へ進むと出会える、苔むした巨岩の中にそそり立つ縄文杉は圧巻の姿です。

住所:鹿児島県熊毛郡屋久島町
電話:0997-46-2333(屋久島観光協会)
登録年月:1993年12月

400年以上の時を超え、美しい姿を今へと伝える名城[姫路城]


写真提供:姫路市

400年以上の歴史を持つ姫路城。1993年に、その木造建築における美的完成度が高く評価され、日本で初めての世界文化遺産となりました。外観は、白鷺が羽を広げたような優美な姿に見えることから「白鷺(しらさぎ)城」の愛称で親しまれ、建築的な素晴らしさだけではなく、多くの物語の舞台としても語り継がれています。近年は約5年半にも及ぶ「平成の大修理」を経てまばゆく生まれ変わりました。

春には城と美しい桜のコラボレーション、夏には青々と茂る緑の中で際立つ白い城壁など、季節ごとにさまざまな表情で訪れる人を魅了します。

住所:兵庫県姫路市本町68
電話:079-285-1146(姫路城管理事務所)
時間:9:00~16:00(閉城17:00) ※4月27日から8月31日までは9:00~17:00(閉城18:00)
入場料:大人(満18歳以上)1,000円、小人(小学生・中学生・高校生)300円
登録年月:1993年12月

エメラルドブルーに包まれる奇跡の楽園[小笠原諸島]


写真提供:小笠原村観光局

東京から南に約1,000kmの洋上、大小30程の島々からなる小笠原諸島。主島・父島ですら空港がなく、東京・竹芝桟橋との間をつなぐ、およそ6日に1便の定期船が唯一のアクセスです。ボニンブルーと呼ばれるどこまでも透き通る濃く深い青色の海と白浜のコントラストは一生に一度は見てみたい絶景です。

小笠原諸島は大陸と一度も接したことがない海洋島で、多くの固有種や独特な自然環境が育まれています。その豊かな生態系が評価され、世界自然遺産登録となりました。本土とも沖縄とも違う、雄大な自然と美しい海はまるで日本ではないような世界感。目に映る景色だけでなく、その土地からみなぎるパワーをぜひ五感で体感してみて。

住所:東京都小笠原村
電話:<父島>04998-2-2587(小笠原村観光協会)、<母島>04998-3-2300(小笠原母島観光協会)
登録年月:2011年6月

大自然の宝庫でパワーチャージ[知床(知床五湖と知床連山)]


北海道の北東部に位置する知床半島は、火山活動などによって形成された急峻な山々や海岸断崖、湿原・湖沼群からなる半島です。流氷が生み出す海と陸の壮大な生命の循環、四季折々の表情を見せる絶景、そして多くの希少な動植物を育むドラマチックな大自然とエネルギーは、圧倒的なパワーと迫力を持っています。とくに知床五湖の知床連山を湖面に映すその姿はとても幻想的で、目の当たりにすると心が浄化され、自然のエナジーを体感することができます。
また、「双美の滝」と称えられるオシンコシンの滝も“癒しのパワースポット”として、見る者を魅了する人気の観光地です。

住所:北海道斜里郡斜里町大字遠音別村字岩宇別531(知床自然センター)
電話:0152-24-2114
時間:8:00~17:30(4月20日~10月20日)、9:00~16:00(10月21日~4月19日)
登録年月:2005年7月

懐かしい日本の原風景に出会える秘境[白川郷合掌造り集落]


白川郷は、雪深い飛騨高山地域にあります。厳しい豪雪に耐えるために工夫された茅葺屋根の合掌造りが日本の田園風景の象徴として、観光客にも人気の名所です。大小100棟余りの合掌造りの建物を残す集落は、今も人々の生活が営まれており、どこか懐かしく、のどかな景色が印象的。紅葉が広がる黄金色の景色の中に合掌家屋が厳かに立ち並ぶ秋の集落は、一幅の美しい絵画のようです。
冬の時期は季節の到来とともに白く染まった山々や、雪に飾られた合掌家屋がいっそう幻想的な雰囲気となり、まるで昔話の世界のような絶景を楽しむことができます。

住所:岐阜県大野郡白川村荻町1086(白川郷観光協会)
電話:05769-6-1013
時間:9:00~17:00
登録年月:1995年12月

吸い込まれるような美しい湖、偉大なる自然が鎮座する森[白神山地]


青森・秋田県境にまたがる原始的なブナ林、約17,000haが世界遺産に指定され、その全体がパワースポットとも呼ばれる白神山地。世界最大級のブナ林はイヌワシ、クマゲラなどの貴重な動植物の宝庫です。その森を歩けば、古代から続く森の生命力に触れることができるでしょう。
おすすめは、気軽に白神の自然を感じることができる十二湖地域。森林浴のリラックス効果が得られる「森林セラピー基地」にも認定されています。神秘的な青い湖面を湛えた青池をめぐる「十二湖散策コース」は往復1時間30分〜3時間ほどで楽しむことができます。

住所:青森県西津軽郡深浦町大字松神字下浜松14(アオーネ白神十二湖)
電話:0173-77-3311
時間:8:30~17:00(受付時間)
登録年月:1993年12月

おわりに


国内のパワーみなぎる世界遺産7選をご紹介しました。意外と行ったことがないという方も、海外旅行がむずかしいこの機会に訪れてみてはいかがでしょうか? 日本ならではの自然や四季折々の素晴らしい景色に出会うことができますよ。
情報提供元: 旅色プラス