はじめに


東北には屈指の名山が多いですよね。
飯豊山地は朝日山地と並び、東北アルプスの異名を持つほどの山なんですよ。
今回は、そのなかでも福島県・新潟県・山形県の三県をまたにかける飯豊山(いいでさん)についてご紹介します。

福島県・新潟県・山形県の三県にまたがる日本百名山「飯豊山」▶︎飯豊山はどんな山?


「飯豊山」は標高2105mの山で、「飯豊本山」とも言います。
福島県・新潟県・山形県の三県の県境にあり、県をまたぐようにして存在している山です。

日本百名山の1つに数えられていて、高山植物が有名なんですよ♪
飯豊山の他にも大日岳や北股岳、烏帽子岳などの標高2,000m級の山が連なっており、これらの山をまとめて飯豊山連峰という名称がつけられています。

福島県・新潟県・山形県の三県にまたがる日本百名山「飯豊山」▶︎山岳信仰の対象


飯豊山は花崗岩からできていて、豪雪地帯にある山のために雪による浸食が見られます。

これは飯豊連峰すべての山に見られる現象で、平らな部分があったり険しい部分もあったりと、複雑な地形となっています。

また古くから山岳信仰の対象であり、飯豊山南峰には飯豊山神社が創建されています。
ご神体は飯豊山地そのものであるとされ、地域の信仰を集めているんですよ。

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福島県・新潟県・山形県の三県にまたがる日本百名山「飯豊山」▶︎飯豊山の伝説


実は、飯豊山は太平洋戦争前まで“女人禁制”の山でした。
その女人禁制を言い伝える伝説が、今でも残っているんです。

江戸時代、羽前の米沢の「小松のマエ」という女性が女人禁制の禁を破って登拝したところ、飯豊山に祀られている神様が女神であったため神霊の怒りに触れてしまい、石と化したという伝説があります。

飯豊神社へと向かう登山道の横には『姥権現』があり、登山者の大きな目印となっています。
これは石となった「小松のマエ」を祀ったものだと言われていて、参詣の場にもなっているんですよ。

福島県・新潟県・山形県の三県にまたがる日本百名山「飯豊山」▶︎一度は参拝したい飯豊山神社


飯豊山の山頂に祀られている飯豊山神社は、一説に役ノ小角の開山と言われています。
そして、江戸時代から信仰登山の対象として開かれました。

その当時の登山は「飯豊詣」と呼ばれており、8月の1カ月間に限ってだけ14歳前後の若者が三日三晩、先達の指導で山に篭るというものです。

白装束に身を固めて水ごりをとり、山頂神社でお札を授かって奥ノ院である大日岳まで遥拝する、いわば成人の儀式でありました。

それ以外の期間は修験者にのみ登山を許された山で、現在でも残る地名(草履塚や御秘所など)や古銭が道端で発見されています。

福島県・新潟県・山形県の三県にまたがる日本百名山「飯豊山」▶︎おすすめの季節


飯豊山は、夏でも方々に広がる豊富な残雪と多くの高山植物が見られます。
これは、飯豊連峰の大きな魅力ともなっているのです。

特に御前坂付近から本山にかけての高山帯には、さまざまな高山植物が咲き誇っていて、植物好きにはたまらないスポットなんですよ。

ぜひ、夏の時期にしか見ることができないお花畑を楽しんでみてくださいね。

◆飯豊山
所在地:福島県喜多方市山都町一ノ木 飯豊山

福島県・新潟県・山形県の三県にまたがる日本百名山「飯豊山」▶︎飯豊山周辺のおすすめスポット


飯豊山を訪れたら、蕎麦屋の「一ノ戸弘法そば」に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

一ノ戸弘法そばは昔、空海が飯豊山に登山する際に立ち寄った店だと言われています。
その後、二ノ鳥居先に行き、杖で塩水を出し、笹の葉で塩水を振りかけて身を清めてから登山をしたという伝説が残されています。

その際に使われた“塩桶”があったという場所は、周囲が石積みの場所となっています。

そんな歴史的にも貴重な場所で江戸時代から続く製法の、おいしい蕎麦を食べることができますよ。
つなぎが入っていない高純度のそば粉で、香りと芳醇な喉越しを感じることができます♪

◆一ノ戸弘法そば
住所:福島県喜多方市山都町一ノ木
電話番号:0241-39-2081
営業時間:10:00~16:00 ※事前予約推奨
定休日:不定休

一ノ戸弘法そば


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福島県・新潟県・山形県の三県にまたがる日本百名山「飯豊山」▶︎飯豊山へのアクセス方法


飯豊連峰へ向かうときの、新潟県側からのアクセス方法をご紹介します。

交通機関を利用する場合は、JR磐越西線「日出谷駅」で下車し、そこから車で45分、徒歩で120分で実川登山口に到着します。

車を使用する場合は、磐越自動車道「津川IC」より車で約75分で実川登山口に到着となります。

飯豊山・実川登山口 アクセス



おわりに


飯豊山は戦前まで女人禁制の山であったなんて驚きですよね。
古くから厚い信仰を寄せられていた飯豊山の魅力を登山で存分に体験すれば、リフレッシュできること間違いありませんよ。
登山レベルは上級者並みなので、十分な装備をお忘れなく!
情報提供元: 旅色プラス