はじめに

歴史的な建物や遺跡、リノベーションスポット、“小吃“…と、見どころが盛りだくさんの台南。これからの季節は、マンゴー狩りや市場見学という“お楽しみ”も加わり、旅先としての魅力は高まるばかり。旅人の増加に伴い、滞在先の選択肢も多様化していて、ホテルとホステルの性質を併せ持つユニークなホテルも登場。2020年にオープンしたばかりの「OINN Hotel&Hostel巷弄潮旅」を紹介します。※“小吃“は手軽に食べられる美食の総称

社交場としての機能も併せ持つ、新感覚の滞在スポット。

「OINN Hotel&Hostel巷弄潮旅」は、安平區と中西區の間の路地にある建物で、街中の喧騒から離れた閑静な立地がポイント。また、新しいものと古いものを混在させたデザインも特徴です。ホテルのオーナーは、バックパッカーとしての忘れがたい旅の思い出を持つ台南っ子。その経験から、宿泊の場という概念を超越した存在を目指し、デザインホテルでありながら、ユースカプセルの側面も持ち、さらには実体のあるソーシャル・プラットフォームとしての機能をも備えた施設「OINN Hotel&Hostel巷弄潮旅」を誕生させました。Oinnとは“All in, All that we share. ”を意味し、トータル・シェアリングによって、多くのゲストに美しい出来事を楽しんでもらおうという気持ちが込められています。

この土地の歴史の名残りをクールに表現したインテリア。

空間のビジュアルデザインは、インダストリアル調。これは日本統治時代にライトレールの製鉄所があったことに由来していて、ロビーにはトタン、スノコ、歯車などの古物、ディスプレイ。レトロモダンな雰囲気をスタイリッシュに演出しています。また、工場で使われていたスローガンをデザインに組み込んだり、趣向を凝らしたイラストで館内を紹介するなど、ユーモアある内装が、いつまでも心に残る旅へと誘います。

台湾出身のクリエイターを支援。旬のアートに触れる機会も。

また、クリエイティブ・スペースを設け、台湾出身のアーティストを支援しているのもこのホテルの特徴です。例えば、昨年は台南の国宝級映画看板絵師・顏振發氏の作品「1万缶のペンキの手描き精神」を展示。今年は1月に開催予定だった提灯祭り「府城普濟燈會」が新型コロナウイルス感染症の影響で中止になったことを受け、主催者と共同で提灯展を開催。ロビーなどに色とりどりの提灯が飾られ、幻想的な雰囲気に。“映えスポット”して人気を博しました。

清潔で快適! ベッドスペースは、必要な設備をスタイリッシュにまとめて。

館内は、2階と3階がバックパッカー仕様。12床のベッドを配置し、“ヤッピー”の秘密基地といった雰囲気を演出。完全なカプセルホテルスタイルはゲストに優しい設計で、統一された下駄箱には、ローカル色満点の青と白のサンダルを用意。ベッドスペースの荷物棚や枕元にはコンセント、プライバシーを確保するカーテン、30cm四方の化粧鏡などを設置し、利便性を追求しています。また、携帯が手放せず、ドラマ視聴の習慣がある若い世代のため、全ベッドにモバイルミラーリング機能のあるテレビを設置。さらに、個室の空調は独立していて、個別のファンもあり、暑苦しさのない快適空間が作られています。

ほかにも “茄芷袋”と呼ばれる市場仕様のナイロンメッシュバッグをエコバッグとして用意。こちらは台南・後壁のベテランの職人による特別なもので、地元の文化を盛り上げようとするOINNを象徴するアイテムでもあります。もし気に入った際には、お土産として別途購入することも可能です。

ホテルスペースは、シンプルで広々とした空間設計。

4階、5階は20室のスイートルームで、2人部屋、4人部屋とメゾネットタイプ。内装は木目とグレースケールで構成され、畳のイグサや木の板の香りに癒される空間が広がっています。また、台南の老舗による人間工学に基づいたベッド、Omnisensの上質なソファ、厚手なのにしなやかな厳選バスタオルといったこだわりも随所に。

ゲスト同士の交流を深めたり、惚けるためのスペースがそこに。

“Share Fun, Share Space, Share Career!”という思いから、ゲストが楽しんだり、交流を深められるスペースを複数確保。1階のロビーにはコイン式のカラオケマシーンがあり、好きなときに利用可能。3階には女性のための癒しのスペース「女孩抱抱」。虹色のハンモックに抱かれる安らぎのひとときを過ごせます。 屋上のラウンジはさらに多様で、バルコニー、星空サロン、屋外映画館、水遊び場を備え、ゲスト間の交流を促しています。 また、自炊が可能なフレンドリーキッチン、ランドリールームも完備し、旅先での“あったらいいな”に応えています。

おわりに

台南は美食の街。ホテルの近くには、地元で人気のサバヒー店「阿興虱目魚」、もち米ご飯・ミーガオの老舗「小南米糕」、揚げシュリンプロールの「黃氏蝦捲」と、“小吃“のハズせないお店が多数。ホテルを拠点に、近隣の隠れた名店を探すのも楽しみのひとつです。「OINN Hotel&Hostel巷弄潮旅」に滞在しながら、そこに住んでいるように過ごす。そんな台南の旅も魅力的です。

◆OINN Hotel&Hostel巷弄潮旅
住所:台南市中西區文和街29號
電話:+886-6-350-1101
情報提供元: 旅色プラス