はじめに


日本最南端の有人島・波照間島の海は、どこに行っても嘘みたいにキレイなんです。青や水色の概念すら覆ってしまいそう。海の向こうは異国、という事実がロマンチックを高めるのか、感動もひとしおです。石垣島から日帰りで行けて、4月には海水浴ができるぐらい暖かいこの島に、ぜひ訪れて満たされて下さい。
※金額は2018年3月現在のものです。
※海開きはなく、海水浴は自己判断になります。

Text&Photo:とまこ

波照間島は、海はもちろん畑も美しい


波照間島は日本最南端の有人島。国の隅っこだというのに、畑と道はカクカクまっすぐ、なんてキレイに整えられた土地でしょう。島に上陸すると、とたんに人々の明るい息吹を感じて、すぐにここが好きだと思いました。
島の面積は12.7 km²で、沖縄本島の1/10ほど。島をぐるっと一周する道は9kmで、車なら15分もあればのんびり一周できるコンパクトさです。490人ほどが暮らしています(2017年3月時点)。

石垣島からはフェリーでたったの1時間


波照間島へは、石垣島の離島ターミナルからフェリーでどうぞ。安栄観光のフェリーが1日3往復出ています。所要時間は約1時間で、料金は往復5,870円(片道は3,090円)。石垣からの始発が朝の8時30分で、波照間からの最終便が17時5分なので、日帰りでもたっぷり遊べますよ。

もし波照間島で泊まる場合、(夏から秋の繁忙期は特に)早めに宿の予約をすることをおすすめします。あまり宿が多くないので、直前だと満室の宿がほとんどかもしれません。

◆安栄観光
電話:0980-83-0055
営業時間:6:00~20:00( 台風時を除く )

おすすめの移動手段は車! 波照間の太陽パワーはあなどれない


港に着いたら、まずは足の確保。島の規模的には、自転車、バイク、車、なんでも対応できるし、きっとどれも気持ちがいいです。ただ、個人的には車を強くおすすめします! 秋に訪れた時もひどく暑く、観光後にクーラーの効いた車内に戻った時の幸せ感ったら……。特に、きっと皆さんが訪れる「日本最南端の碑」(後述)の辺りなど、足元一面が黒っぽいゴッツゴツの岩なので、照り返しが強烈です! 帽子やサングラスを持参して、水分補給もこまめにしてくださいね。

日本最南端は、果て感抜群。ゴッツゴツの断崖絶壁、大迫力!


「日本最南端の碑」がある場所は、行けばなるほど、確かに果てだと思うはず。入り組んだ断崖絶壁が見渡す限り続き、ザッパンドッバン高い波がパワフルに打ち寄せて……、思わず身震い! ここから先は人の領域ではないな、と海に畏怖の念を抱きました。
一方、強烈すぎる日差しが降り注ぎ、光がたっぷり含まれた空気で作られる雰囲気は本当に陽気! この時は陽気な証拠に、ハートの雲を浮かべてくれました。

最南端の碑のあるエリアから見える建物は、星空観測タワー。プラネタリウムも併設されているので、時間が合えばぜひどうぞ。 


◆竹富町波照間島星空観測タワー
電話:0980-85-8112

超絶キレイなペムチ浜! 一生もののインパクトを秘める絶景


最南端の碑のある断崖と同じ並びにあるのがペムチ浜。なので最南端の浜になりますね。道から南国ジャングル気分な藪を少々歩けば出られます。

誰もいなくて白く柔らかい砂浜に、繊細な波しぶきが打ち寄せる。ただそれだけなのに、こんなに満たされる場所が他にあるでしょうか。この海の向こうに住む人は、知らない異国の文化・習慣で暮らす人。最南端という事実が、ここを最高にロマンチックな場所に仕上げてくれます。

この浜は、ちょっと角度を変えて見ると海底が黄緑色に見えるから不思議。ただ美しいだけではない、不思議さまで加えられて、すっかり魅了されてしまうのです。
さらに嬉しいのは、キレイなサンゴのかけらと貝殻が多かったこと。外洋からの強い波にさらされているからか、まあるく削られたサンゴはハート形に。こんなのをいくつも見つけたし、小さくてパステルカラーの貝もたくさん拾いました。

いるだけで島人!? 建物も味もバッチリ沖縄な「ひまわりcafe」でひと休み


古民家を改装した「ひまわりcafe」は島人気分になれます。沖縄風の床の間と、壁に掛けられた三線で島らしさを感じられて、食べる前からこのお店の沖縄料理は本物だと確信します。

頼んだのは「ポーク玉子」。ランチョンミートと、玉子焼きの組み合わせです。形は店それぞれ違いますが、このメニューは沖縄の定番だそう。他にゴーヤチャンプルーなども食べましたが、どれもしみじみおいしくて、日差しで疲れた体も一気に元気になりました。


◆ひまわりcafe
住所:沖縄県八重山郡竹富町波照間5227

泳ぐならニシ浜へ。ウソみたいにキラキラ輝く水色の海!


波がパワフル過ぎて泳ぐには危険なところもある波照間島の中で、優しく海の中へと迎え入れてくれるのがニシ浜ビーチです。サンゴと白砂の絵に描いたような情景の中に溶け込む……。幸せ過ぎるでしょ。

ビーチの正面には、西表島がドーン。家族がそこで見守ってくれているような安心感が心地良いです。リラックスして存分に楽しんでくださいね。
ちなみに、ニシ浜の意味は北の浜。沖縄の言葉で、北を「ニシ」というんですって。

おわりに


文句なしの絶景に埋もれ続ける波照間島での時間は、きっと一生ものの思い出になるでしょう。ぜひ、日本の隅っこで満たされてきて下さい。

◆とまこ
明治大学在学中からバックパッカーとしてデビューし、卒業後は秘境ツアーコンダクターに。現在は旅作家&おしゃれパッカーとして本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍中。著書に『離婚して、インド」(幻冬舎文庫)、『世界の国で美しくなる!」(幻冬舎)など既刊12冊。2017年9月20日には新刊『台湾で朝食を 日常よ、さようなら!』(メディアパル)発売。
情報提供元: 旅色プラス