編集:Funliday-ヒカリ

就職して早一年以上が経ち、二年目社員になった当時24歳の私は、相変わらず会社を憎み大学時代を回顧する日々を送っていた。



大学時代は楽しかった。


働かなくても親からお小遣い貰えたし。



よく晴れた秋の休日、私は大学時代を過ごした京都にどうしても行きたくなった。


プランも何も決めていないが、どうしても京都に行きたい。一人で適当にぶらぶらしたい。



ということで私は、秋の京都に一人赴いたのであった。

六角堂(紫雲山 頂法寺) | 1時間

まずは六角堂に行くことにした。


六角堂は、かの有名な聖徳太子によって創建されたお寺である。




なぜ六角堂に来たのかというと、六角堂には良縁を結ぶと言われる柳があるのだ。



平安時代の始め、六角堂にある柳の木の下で嵯峨天皇が美女と出会い結ばれたことから、六角堂の柳に願をかけると良縁に恵まれると言われている。




私は当時、憎き弊社と縁を切るには結婚して専業主婦になるのが一番だという実に浅はかな思考を持っていたため、彼氏はいたものの念には念を入れ、六角堂の柳に良縁を願っておいた。




ちなみにおみくじは末吉であった。


「楽しそうな道ばかり選べば後で行き詰まること多い」というおみくじの言葉は、まさに当時の私の短絡的思考に対する神からの回答のようである。

哲学の道 | 1時間

六角堂で願掛けした後、哲学の道をぶらぶら歩きたいと思い立った。


天気が良いからのんびり散歩したい気分だ。




哲学の道は、銀閣寺と南禅寺の間を結ぶ、約2kmに渡る散歩道のことである。


哲学者である京都大学教授 西田幾太郎が、毎朝この道を歩いて思索に耽っていたことにちなんで名付けられたらしい。




秋の優しい陽射しの下で哲学の道を歩いていると、驚くほど心が癒された。


オレンジに色付いた木々もとても綺麗である。




散歩している人はおじいちゃんやおばあちゃんが多く、夫婦で仲良くベンチで休憩している姿にほっこりした。


私もこういう歳のとり方をしたいものである。

法然院 | 40分

哲学の道を散歩している途中、法然院というお寺を見つけたので行ってみることにした。


山門に京都らしい風情を感じるお寺である。




本堂内には阿弥陀如来坐像が安置されており、奥の墓地には、谷崎潤一郎や河上肇など錚々たるメンバーのお墓がある。




ご利益は極楽往生らしく、私もありがたく自身の極楽往生を願っておいた。

南禅寺 | 10分

哲学の道の終着点、南禅寺までやって来た。


巨大な三門が有名である。




厳かでとても雰囲気が良い場所なのでしばし見て回っていたが、私には最後に行ってみたいカフェがある。


カフェの営業時間が危ぶまれるところである。




ということで、早々にカフェに向かうことにしたのであった。

築地 | 1時間

築地は、昭和7年創業の純喫茶である。


歴史を感じる建物で、外観がレトロでかわいい。




中に入ると、中世ヨーロッパに迷い込んだような光景が広がっていた。


机や椅子も創業当初に拘って作られたものらしく、世界観が統一されている。




築地はウインナー珈琲が有名だが、いかんせん私は珈琲が飲めないため、アイスカフェオレを注文した。


ムースケーキも注文して食べてみたが、程よい甘さでとても美味しい。


カフェオレとよく合う。




夕方に行ったため店内はそこまで混んでおらず、クラシック音楽を聴きながらゆったり寛ぐことができた。






やはり京都はとても良い。


社会で戦う私の心の健康を保つために、大変重要な場所である。


また隙を見て京都一人旅をすることを心に誓いつつ、私は帰路についたのであった。

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情報提供元: Funliday
記事名:「 秋の京都、ぶらり一人旅