シンガポールのHESが地域向け水素電気旅客機の計画を発表
シンガポール & パリ--(BUSINESS WIRE)--（ビジネスワイヤ）-- 小型無人航空機向けに水素推進システムを12年間にわたって開発してきたHESエナジー・システムズは本日、世界初の地域向け水素電気旅客機となる「エレメント・ワン（Element
One）」の計画について発表しました。
商業航空の開始から1世紀を経た今、HESは新たな形態の航空モビリティーを先駆的に切り開くために、さまざまなパートナーと協力しています。新たな航空モビリティーとは、静寂性、ゼロカーボン、パーソナライズ、オンデマンド、分散化の要素を備え、地方のコミュニティーに経済的包摂性をもたらすものです。
ゼロエミッション航空機として設計されるエレメント・ワンは、HESの超軽量水素燃料電池技術を分散型の電気航空機推進デザインと一体化します。HESの分散型システムは、現在のドローン規模のシステムを実質的に何も変更することなく、モジュール化に加え、多重のシステム冗長性による安全性向上を実現します。
エレメント・ワンは、水素の貯蔵形態が気体か液体かに応じて、4人の旅客を500km〜5000km運ばすようにデザインしています。その性能は、これまで試みられたの他の電池式電気航空機すべてよりも桁違いに優れており、小規模な空港や飛行場から成る既存の緊密なネットワークを活用して、小さな町と地方をつなぐ新たな航空ルートを設けることができます。
シンガポールに出自を持つHESは、フランスで急成長する多数の新興企業や中小企業と過去1年間にわたり協力し、エレメント・ワンのビジョンを実行に移すことができる種々の拠点を探ってきました。そうした1つに、トゥールーズにある世界的な航空機研究開発ハブのエアロスペース・バレーがあります。当社の親会社であるH3ダイナミクスは、「革新の2018年」の一環として両国間で強化されている技術協力を象徴しています。
水素電力の約束により、航空機の未来を形作ることができます。HESの設立者であるTaras
Wankewyczは、「HESの超軽量水素エネルギー貯蔵システムを分散型の推進装置構成で使用すれば、電池式電気航空機の航続時間の限界を乗り越えられるようになりました。エレメント・ワンのデザインは、電気航空機向け長距離燃料としての再生可能水素の使用に道筋をつけるものです」と述べています。
エレメント・ワンの燃料補給は、自動ナセル交換システムによって10分足らずで行えます。このシステムは、アマゾンやアリババが使用しているような無人搬送車（AGV）や自動倉庫業務を応用しています。
HESは先週、水素燃料対応空港のネットワークで、燃料電池式の無人航空機とオンサイト水素発生装置を結ぶ作業の開始計画について発表しました。これはエレメント・ワンなどのより大規模な電気航空機に備えるためです。HESは現在、産業規模の水素生産者と、地元で生産される再生可能な太陽／風力エネルギーを使用した高エネルギー効率の燃料補給システムを追求すべく、相談しています。
HESは、新たな旅客分野でエレメント・ワンの地位を確立することに貢献する新ビジネスモデルを探る努力として、当社のゼロカーボン航空機のロードマップを、フランスの新興企業Winglyに合わせました。同社は、分散型の地域航空運輸のために、飛行機シェアリングサービスを提供しています。WinglyのEmeric
de
Waziers最高経営責任者（CEO）は、「20万人以上のパイロットと乗客から成るコミュニティーが当社プラットフォームを使用して行う何百万件もの行き先検索について分析したところ、二次的都市を結ぶ地域間交通の膨大なニーズが明らかになりました。エレメント・ワンのようなエミッションゼロの自律型航空機を、デジタルコミュニティーを基盤とするWinglyのようなプラットフォーム、そして既存の緊密な飛行場ネットワークと組み合わせることで、パラダイムを変えることができます。フランスだけを見ても、450以上の飛行場から成るネットワークがありますが、そのうち定期便が乗り入れている飛行場はわずか10%です。私たちは要するに、残りの90%をつなげていきます」と述べています。
HESは、飛行可能な最初の試作機を2025年までに開発することを目指しており、航空分野と水素分野の両エコシステムを巻き込んで、技術・商業コンソーシアムの構築を進めています。
HESエナジー・システムズ（シンガポール）について
HESエナジー・システムズは、自律型航空機の航続距離を延長する高性能の水素燃料電池システムを専門に開発しています。2009年からシンガポールで業務を展開してきたHESは、超軽量燃料電池と水素エネルギー貯蔵システムを開発する世界的リーダーへと成長しました。12年以上にわたり、世界中の一流の無人航空機（UAV）メーカーや有力な航空宇宙機関に技術を採用されてきた当社は、種々の水素貯蔵手法を開発しながら、オンボード／オフグリッド／ポータブルエネルギーの限界に一貫して押し広げています。HESの親会社であるH3ダイナミクス・ホールディングスは、トヨタ未来創生ファンドを持つ日本のスパークス、ACAパートナーズ、キャピタル・マネジメント・グループの支援を受けています。
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