京都市観光協会によると、2020 年 5 月の京都 55 ホテルにおける客室稼働率は、前月の 5.8% をわずかに上回り、0.7 ポイント上回る 6.5% に上昇したと発表した。新型コロナウイルス感染症による甚大な影響が続き稼働率は極めて低いが、6 か月ぶりに前月を超えた。


京都市内のホテル高稼働を下支えしていた外国人延べ宿泊客数は、前年同月比 99.9 %減と 2014 年の調査開始以来、過去最低。外国人比率は前年同月より48.0ポイント低い 1.2% となり、4ヶ月連続で単月としての最低値を更新した。


本調査は、京都市内の主なホテルを対象に京都市観光協会が毎月公表しているもので、休業中で回答が難しい等の施設を除く 55 ホテル 11,823 室(2020 年 5 月現在)が対象となっている。


日本政府は 3 月 9 日から中国、韓国全土からの日本人を含む入国者に対して、検疫所長が指定する場所に 2 週間待機するよう要請。4 月 3 日からは、中国や韓国全土からの入国を拒否。現在は入国拒否の範囲を大幅に拡大し、7 月 1 日以降は、129 カ国・地域が対象となっている。


この影響で政府観光局(JNTO)によると、2020 年 5 月の訪日外客人数は、前年同月比 99.9% 減となる 1,700 人と大幅減となっていた。インバウンドに支えられていた京都の宿泊業界も新型コロナウイルスの感染拡大により大ダメージを受けている。


 


京都市、宿泊施設数がコロナ以降初めて減少


新型コロナウイルス感染症により甚大な影響を受けている中でも、京都市内の宿泊施設数は増え続けていたが、2020 年 5 月の京都市内宿泊施設数(旅館業許可施設)は、前月に対して初めて下回り 3,984 施設となり、コロナの影響が出てから初めて減少した。


宿泊需要はほぼゼロに等しい状況となるが、2020 年 7 月以降も開業を予定しているホテルは多い。H.I.S.ホテルホールディングスは「ウォーターマークホテル京都」を 2020 年 10 月に開業するほか、三井不動産、三井不動産ホテルマネジメントは、「三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺」を 2020 年 9 月 28 日での開業を予定する。


甚大な影響を受けた宿泊業界だが、客室稼働率は 4 月に底を打ち、微増ではあるが改善傾向にある。5 月 21 日には京都府における緊急事態宣言が解除され、観光施設や社寺、宿泊施設などが営業を再開。


6 月 19 日以降は、全国で都道府県を跨ぐ移動や旅行が解禁され、8 月には旅行業界や飲食業界向けに開催される官民一体型の需要喚起キャンペーン「Go Toキャンペーン」も開催を見込む。


新型コロナウイルスの感染拡大はまだ予断を許さない状態ではあるが、中国・台湾・韓国からの日本への入国規制の緩和に向けた交渉の検討も始まっており、宿泊業界の早期回復に期待したい。


情報提供元: Airstair
記事名:「 【調査】2020年5月、京都55ホテルの客室稼働率は6.5% 極めて低いが 6 か月ぶりに上昇に転じる