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ホテルを中心とした不動産投資信託(REIT)のインヴィンシブル投資法人は、ホテル運営会社のマイステイズ・ホテル・マネジメントによる一時的な固定賃料(約35億円)の支払い免除などの要請に応じたことを発表した。
MHMグループは、同投資法人が保有する国内ホテル 83 物件のうち 73 物件を運営するオペレーターであり、同投資法人の物件売却益を除く営業収益の約3分の2を占める最大テナント。
足元では、新型コロナウイルスの感染拡大と政府による緊急事態宣言及びこれに伴う地方自治体による休業要請その他の措置等により、日本全国のホテルの利用客数は大幅に減少するなど、ホテル業界にとっては未曽有の事態が続いている。
この事態を受けて、同投資法人の主要テナントである株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメントが運営する 73 物件について 2020 年 6 月末までの一時的な措置として、固定賃料の支払いを免除するとともに、建物の保守・点検や修繕費などの物件管理費を同投資法人負担としたほか、管理業務受託手数料の引き上げについて合意した。
マイステイズ・ホテル・マネジメントとその関連会社であるMHMグループは、管理業務受託手数料を極力抑えることで、ホテル投資機会の拡大とこれに伴う運営受託ホテル物件数の拡大を志向する事業戦略を採用。
合意に至った背景について、同投資法人は GOP のアップサイドのほとんど全てを享受し、「MHMグループは本社経費等を勘案して設定した必要最低限の管理業務受託手数料に相当する金額のみを受領する仕組み」だったためとしている。
MHMグループは、2020 年5月 11 日以降当面の間に支払期日が到来する賃料の支払免除並びに経費負担の変更その他の条件変更を強く要請。
同投資法人によると、MHMグループの要請に応じず賃料の減免及び費用負担の変更を行わなかった場合、MHMグループは遅くとも 2020 年5月中旬には本投資法人に対する固定賃料支払債務を含む各種支払債務について支払不能に陥る見通しだった。
要請に応じなかった場合、「MHMグループが倒産する可能性は否定できない」(同投資法人)とし、倒産手続の開始に至らなかった場合でも、ホテル運営に必要不可欠な取引先の取引停止等により、73 物件の再開が見通せず賃料収入の全部又は大部分を得られない状態に陥る可能性があったとした。