Airbnb(エアービーアンドビー)はこのほど、世界各国の観光名所やアクティビティをスマホチケット発券プラットフォームを手掛けるTiqets(チケッツ)のシリーズCラウンドを主導し、約65億円(6,000万ドル)を出資したことを明らかにした。調達資金は、観光施設によるチケット発券の促進や、顧客体験の向上につなげるシステム開発に充てるという。


2014年に創業したTiqetsは、エンパイアステートビルやサグラダファミリア、バチカン、ゴッホ美術館など世界中の 60 カ国以上で人気の観光名所のチケット販売を取り扱うタビナカサービスを展開している。


従来、旅行先で入場料が必要な観光名所を訪れる場合、窓口で長蛇の列に並び慣れない現地の言葉でチケットを購入する必要があったが、Tiqetsを導入している観光名所では、母国語でスマホから即時に電子チケットを購入できることから、窓口で入場チケットを購入する必要もチケットを印刷する必要もない。


また、Tiqetsは観光施設の運営側に対して、11 言語でのサービス提供を行うほか、予約の時間管理、価格設定機能などの管理ツールも提供しており、現在、約2,500社の流通パートナーが同社のチケット発券プラットフォームに参画している。


Tiqetsは2019年に日本市場に参入し日本語でのサービスも提供。東京国立近代美術館、東京国立博物館、京都タワー、比叡山延暦寺など東京、京都、奈良などの都市ですでに 50 以上のチケット発券を手掛けている。


 


Airbnb、タビナカ領域をさらに強化か


Airbnbは民泊のプラットフォームという枠を超えて、旅行のプラットフォームに向けたサービスの拡大を続けている。Airbnbが 2016 年にリリースした「体験」では、個人のホストがツアーやアクティビティを企画できるプラットフォームとして、サービスを拡大させてきた。


Airbnbは「体験」プログラムでは知名度の高い商品の予約販売を意図的に避けており、「ユニークさ」や「ローカルさ」に強いこだわりを持っている。2016年に、旅行者と旅先での個人ツアーやアクティビティを提供する地元の人々を結ぶプラットフォーム「Trip4Real(トリップフォーリアル)」を買収している。


一方で、Tiqetsは世界的に有名な美術館や観光名所のチケット購入をシームレスにするサービスであり、Airbnbが体験の中で大事にしてきた「ユニークさ」や「ローカルさ」があるものではない。


Tiquetsへの出資は、Airbnbがツアーやアクティビティサービスに関連する戦略とは少し異なるもので、Airbnbとしてどのようなサービス展開へとつなげるのか注目が集まることになりそうだ。


情報提供元: Airstair
記事名:「 Airbnb、観光名所スマホチケット発券プラットフォームの「Tiqets」へ約65億円の出資