世界最大のオンライン旅行予約サイトのBooking.com(ブッキング・ドットコム)は10月初めから、民泊施設に5段階の星評価による新しい品質評価の仕組みを導入したことを発表した。イタリアで開催された Vacation Rental World Summit (VRWS) の中で明らかになった。


宿泊施設が期待通りだったかを宿泊客が記載するレビューとは異なり、新しい品質評価の仕組みはでは民泊施設を対象に、設備や規模、ロケーション、サービスなど約400の要素を基準としてBooking.comが独自に評価する。


1~5つの星で民泊物件がランク付けされ、5つ星が総合的に最も魅力的な物件を意味する。この新しい品質評価の仕組みは、日本を含む全世界で導入されている。


グローバル部門のバイスプレジデントであるOlivier Grémillon氏は「星ランクでの検索はBooking.comで最も利用されているフィルタ」だと述べた。従来は星ランクで検索しても検索結果に表示されなかったが、今では星ランクの検索結果にも民泊物件が表示されるようになったようだ。これにより「コンバージョン率が向上し、多くの関係者が恩恵を受けている」という。


 


星評価の定義の違いで、混乱の恐れも


Booking.comで導入された星評価であるが、民泊物件を多く掲載している民泊仲介サイトなどでは、星5つによる評価は一般的だ。民泊業界の立役者ともなったAirbnb(エアービーアンドビー)でも同様に、リスティングの評価を星5つで表現している。


またオンライン旅行サイト大手のExpedia(エクスペディア)グループ傘下のHomeAway(ホームアウェイ)でも同様に、リスティングの評価を星5つで表現している。


Booking.comやAirbnb、HomeAwayもリスティングの評価を星5つで表現する点は同じとなるが、Booking.comの新しい評価方法は、AirbnbやHomeAwayといった予約サイトとは異なり注意が必要だ。


例えばAirbnbでは、チェックアウト後に宿泊客が、宿泊先の宿泊施設を総合評価とカテゴリ別評価を5段階で評価。リスティングの評価として表示される星の数は、宿泊客から寄せられた評価の通算総合平均スコアとなる。HomeAwayも同様に、宿泊客が投稿した口コミ評価から自動計算された評価をリスティングの評価としている。AirbnbとHomeAwayはどちらも宿泊客から投稿された星評価をベースにしたものだ。


一方で、Booking.comが導入した星評価は、人工知能(AI)と保有するビックデータを活用し、顧客が探しているものに基づく形で、立地や客室サイズ、レビュー、アメニティなどを総合的に評価する。


Booking.comの星評価は、星5つで表現するという点ではAirbnbやHomeAwayと同じであるが、算出ロジックが大きく異なることに注意をして星評価を見なければならないと言えるだろう。


情報提供元: Airstair
記事名:「 Booking.com、民泊物件向けに星5つ評価を導入 Airbnbの評価ロジックとは異なる点に注意