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家具販売大手のニトリホールディングスは8月14日、株式会社銀鱗荘と東名観光開発株式会社から北海道小樽市に所在する旅館「銀鱗荘」の所有権を取得し、8月20日より同社完全子会社の株式会社ニトリパブリックが運営することを公表した。
無印良品やMUJIブランドを手掛ける良品計画も2018年1月に中国広東省深圳市でMUJI HOTEL SHENZHENを開業。2019年春には日本では初となる「MUJI HOTEL」を銀座でオープンする。
家具などを扱うニトリや良品計画など家具メーカーによる宿泊事業への参入が相次いでいるが、北欧スウェーデン発祥の世界最大の家具メーカー「IKEA」(イケア)は50年前以上も前からホテルを運営している事実をご存知だろうか?
今回は、今から50年以上も前からホテル参入をしているIKEAのホテル事業に加えて、IKEAと米マリオット・インターナショナルが共同で始めたホテル業界での新しい取り組みに迫ります。
IKEAは、1958年にイケア創業者のイングヴァル・カンプラードがスウェーデンのエルムフルトに第1号店をオープン。当時の1号店にはIKEAの家具を求めに遠方から訪れる買い物客も少なくなかった。
遠くから訪れた買い物客がIKEAでのショッピングの後に求めたのが「食事」と「休息」だ。IKEAを訪れる買い物客のニーズを満たすためIKEA公式ホテルは今から50年以上も前にあたる1964年に開業した。
エルムフルトの鉄道駅とバスステーションから500mの場所に位置するIKEA公式ホテル「IKEA hotell」は客室にIKEAの家具を備え、スウェーデン料理を提供しディナー後のドリンクを楽しむバーも併設する。
なお今日でも予約を受け付けており公式サイトやOTAサイトから宿泊予約を行うことができる。
IKEAは2013年に世界最大級のホテルチェーン米マリオット・インターナショナルと提携し低価格帯のホテルを展開することを発表。2014年にイタリアのミラノで「モクシー・ミラノ・マルペンサ・エアポート」(MOXY Milan Malpensa Airport)を開業した。
「Moxy Hotels」ではホテル客室にIKEAの家具を利用するのではなく、費用を抑えながらミレニアル世代をターゲットにしたデザイン家具を作るIKEAの技術が使用されている。
「MOXY HOTEL」は、スタイリッシュで手頃に泊まりたいミレニアル世代を主要ターゲットとするマリオットの新ブランドとして誕生。MOXY(moxie)とは”元気”の意味で、モクシー・ホテルは「節約志向の旅行者向けブティックホテル」をコンセプトにしている。
「ブティックホテル」は昨今ホテル業界で注目されつつあるキーワードで、ミレニアル世代から人気がある民泊仲介サイトのAirbnb(エアービーアンドビー)も注目する領域だ。
「MOXY HOTEL」は2015年にアメリカでのオープン後、2017年には東京・錦糸町と大阪・本町の2エリアでも同時オープン。2020年夏には積水ハウスが大阪市福島区に国内3か所目となる「モクシー大阪新梅田」の開業を予定している。
すでにアジアやアメリア、ヨーロッパを中心に40近くの「MOXY HOTEL」があり2018年も多くの開業が予定されている。「MOXY HOTEL」はそのコンセプトの一部を支えるIKEAの技術とともに広がることになりそうだ。