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民泊仲介サイトのAirbnb(エアービーアンドビー)は、未届けの民泊について当初6月15日~19日までのチェックイン分の予約を強制キャンセルすると発表していたが、6月20日以降分も強制キャンセルに踏み切ったことが明らかになった。
Airbnbは、当初6月14日までに民泊ホストに対して、住宅宿泊事業の届出番号や旅館業法や特区民泊の許認可番号を入力するよう求めていたが、観光庁の通知発出を受けて必要な法的根拠のない民泊を6月2日に一斉削除。
Airbnbはもともと、一斉削除前までに確定していた宿泊予約分は維持する方針を示していたが、6月7日に一転して住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行日である6月15日から6月19日分までのチェックイン分の予約も強制キャンセルしていた。
6月7日にゲスト向けにAirbnbが公開した発表の中で、強制キャンセルの対象となるのは当初6月15日から6月19日分までの予定であったが、6月20日以降の民泊予約についてもチェックインの10日前に自動的にキャンセルとなりゲストに満額返金される。
なお、Airbnbによる宿泊予約の強制キャンセルの対象にならないためには、民泊新法の届出番号や旅館業の許可番号、その他法的根拠の入力が必要で、民泊新法の届出申請中でも強制キャンセルの対象となる。
しかし、民泊を全国的に解禁する法律として期待されていた民泊新法は年間180日規制に加え自治体によってはさらに厳しい上乗せ条例も制定され、新法での届出を行うホストは少なく絶望的な状況だ。
《関連記事》民泊新法は、民泊の解禁ではなく「民泊を締め出す」法律だった? 絶望的な状況が明らかに
▼AirbnbやBooking.comなど民泊仲介業者と観光庁の対応(時系列)
日付 | 概要 |
2018.6.1 | 観光庁、民泊仲介業者に違法物件への予約客の取り消しを通知(詳細) |
2018.6.2 | Airbnb、必要な法的根拠のない民泊を一斉削除(詳細) |
2018.6.7 | Airbnb、届出のない民泊で確定していた宿泊予約(6/15~6/19)を強制キャンセル(詳細) |
2018.6.11 | Booking.com、住宅宿泊事業法の届出番号のない宿泊予約を一斉削除及び強制キャンセル(詳細) |
2018.6.14 | Airbnb共同創業者のネイサン・ブレチャージク氏が来日し「Airbnb day」を開催 |
2018.6.21 | Airbnb、届出のない民泊で確定していた宿泊予約(6/20以降)も順次強制キャンセル |
2018.6.21 | Airbnb、「住宅宿泊事業法施行後1週間を経て」を公表 |
Airbnbは6月21日に、「住宅宿泊事業法施行後1週間を経て」を公表し、届出番号その他の許認可が正確ではないリスティングについて観光庁から削除要請があった場合は、Airbnbから速やかに削除する方針であることを明らかにした。
6月21日に一部報道でAirbnbが住宅宿泊事業法施行後も未届けの民泊が掲載されていると報道されたことを受けて公表された。
《関連サイト》住宅宿泊事業法施行後1週間を経て
Airbnbは、ゲスト向けに「日本へのご旅行を予定されているゲストの皆様へのサポートについて」というニュースリリースを配信し、強制キャンセルの対象となったゲストに対しては約11億円(1,000万ドル)の基金を設立することを発表。
強制キャンセルの対象となった宿泊客に対してAirbnbは満額の返金を行うほか、予約金相当額のクーポン、約11,000円分の体験クーポンを配布するといい、対応に追われる宿泊客を徹底的にサポートする。
しかし、すでにAirbnbへの宿泊予約を済ませ日本旅行を予定していた外国人旅行者にとって、宿泊先の予約が強制的にキャンセルされたことによる影響は大きいとみられる。
《関連サイト》日本へのご旅行を予定されているゲストの皆様へのサポートについて