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長野県軽井沢町が町内全域で民泊の通年規制を要望していることが県が民泊に関して市町村へ行った聞き取り調査で明らかになった。別荘などの保養施設も多く、民泊施設の設置によって住環境の悪化を防ぐことが理由だ。
2018年6月に施行される住宅宿泊事業法(民泊新法)を控え、県が各市町村へ民泊の可否や営業日数、対象エリアなどの要望を聞く調査を開始している。調査の内容を取りまとめて、2018年2月の県議会に民泊の条例案を提出する。
来年6月に施行される住宅宿泊事業法では営業日数の上限は年間180日以内になるが、地域の実情にあわせて自治体ごとに営業日数や地域について独自の規制をかけることができる。
同町では民泊新法制定の動きが本格派した2016年3月に、町内全域で民泊を認めないとする方針を全国的にもかなり早い時期から表明。町の自然保護対策要綱にある住環境の維持などを理由に、町内での民泊をけん制してきた。同町は著名人、文化人らの国内屈指の別荘地として知られている。
柳沢宏副町長は「今の環境が維持できているのは、要綱(自然保護対策要綱)、住民の理解と協力があったからで、県には要望に見合った規制のあり方を検討してもらいたい」としている。政府ではさらなる観光立国を目指し、インバウンド(訪日外国人)の増加や宿泊施設不足の解消のため、民泊の規制を緩和しているが、各自治体での捉え方に温度差があるのも事実だ。
11月27日には長野県で住宅宿泊事業のあり方に関する検討会が開催され、長野県における課題等の検討が行われた。県では12月上旬に民泊条例の骨子案を作ることにしている。
全国では京都市、北海道、東京都新宿など多くの自治体で民泊に対するなんらかの規制を盛り込む動きが急増している。その多くは営業日数の短縮、営業エリアの限定だ。軽井沢町のように町内全域で民泊を通年禁止を要望する動きは珍しい。約半年後に迫った民泊新法施行に向けて、軽井沢町の今後の動向に注目される。