全日空(ANA)が、12月11日に羽田空港で開催した、東京/羽田〜シドニー線に就航記念セレモニーの後に行われた、篠辺修代表取締役社長と報道陣の質疑応答一問一答。


ー今年の1月に日本とオーストラリアのEPAが発効してビジネス客が増えるとの期待があるが、新路線のビジネス客の搭乗率はどれくらいを取って行きたいか。


目標の数字は平均で80%くらい取って行きたい。


ービジネスクラスの売れ行きが収益に影響すると思うが、ビジネスクラスに限った搭乗率は。


他の路線も一緒ですが、大体ビジネスクラスでも70%前後。エコノミーと違ってツアーが作れませんので少し下がると思います。それでも70%程度は流動からすると期待できる。


ー16年ぶりに路線開設を決められた理由は。

以前はオーストラリアとの流動はあったが、観光中心に考えて便を張っていた。当時は飛行機もどうしても(ボーイング)747を中心に飛ばさざるを得なかった。観光だけで埋めるとなかなか採算性が良くなかったというのが実態でした。それから十数年経って、(ボーイング)787が手に入りましたので、サイズも需給バランスに合ったものでスタートできますので、今日は(ボーイング787)-9という少し大きめのにしましたが、充分需要がついていけばトリプルセブンにしていくとか柔軟にできますし、シーズンによって需要の波はあるでしょうから、787でも-8と-9を。ロードファクターは一定レベルを維持できる。経済交流、経済活動自体が15年前を比べれば両国間で進んでいる。今現在も和食ブームももちろんあるが、住宅関係のビジネスが、日本からするとオーストラリアよくなっていると聞いている。いろんな形でビジネス需要が増えてくる。


ー住宅関係とは。

住宅ビジネスという分野になる。日本の技術力を日本からすると売り込みに行くと。


ー羽田の深夜を使って、JALは成田だが、この羽田、この時間を選ばれた狙いは。

関東の需要はどの時間帯でも羽田に来れればいいと思う。せっかく国内線でネットワーク一番大きいものを持っているので、夕方か夜発だと日本中どこからでも来れますねと。それで行くと先方には朝着くわけですが、向こうから日本人の方が戻ってきた時に地方に戻られるなら、午前便、できれば朝着けば自由に戻れるというので、飛行機自体は少し寝かせておかなければいけない非効率はあるんですが、お客様の利便性を考えると有効ではある。このダイヤでスタートしてみようと。


ーどうしてもシドニーはワンワールドの牙城。乗り継ぎ客とシドニーを最終目的地はどれくらいを見込んでいるか。

ニュージーランド航空や一部の会社とコードシェアをやったり、あるいはインターライン契約も結んでいますから乗り継ぎもあるとは思う。今のワンワールドのカンタスさんの世界を比べると、向こうのネットワークは強くありませんので、乗り継ぎ比率は他の羽田、成田もあるが期待しているのとは少し下がる。それがあるから、オーストラリア線が割と遅い時期、それもアジアに飛ばしてきましたが、ワンワールドの世界に突っ込みますので、競争が結構大変だというのも含めて、アジア、オセアニアの中では少し時間をかけて踏み切ったということ。


ー羽田に着けば、国内線のネットワークが充実しているので、外地初需要の取り込みもあるが、バランスは。

今数字について正確に記憶していない。15年前と比べてもオーストラリアの方が日本で旅行するというのは増えている。実は東京だけではなく北海道、他の地域のスポットへ。そこへの期待もあって、日本人が使いやすいダイヤであると同時に、オーストラリアから来た方も日本で楽しむ時間が長く取れるので結構期待している。


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情報提供元: Traicy