JALの退役777-300ER、売却前にファンがお別れ 真っ白な「JA733J」を間近で
はとバスと日本航空(JAL)グループは9月22日、JALのボーイング777型機就航30周年を記念した1日限定の特別ツアー「ボーイング777就航30周年記念 JAL SKY MUSEUM見学とJAL国際線ビジネスクラス機内食ランチ」を開催した。
JALのボーイング777型機は1996年に就航し、今年で30周年を迎えた。長距離国際線で運航してきた777-300ERは現在、エアバスA350-1000型機への置き換えが進んでいる。今回のツアーでは、国際線ビジネスクラスの機内食や現役パイロットによる航空教室に加え、営業運航を終えた777-300ERを間近で見学できる機会を設けた。
ツアーは、JAL運航本部777運航乗員部の細川翔平さんらが企画した。777型機の就航30周年を盛り上げるとともに、退役する機体に利用者がお別れを告げられる機会を作りたいという思いがきっかけだったという。
細川さん自身も入社前から777型機が好きで、かつてJAL SKY MUSEUMを訪れた際、退役後の機体が人知れず姿を消していくことに、もどかしい気持ちを抱いたという。今回は、5月に退役した777-300ER「JA733J」の売却スケジュールが当初の予定より後ろ倒しになったことから、イベントに活用できないかと計画。7月末にJAL側からはとバスへ企画を持ち込み、約2か月という短期間で実施にこぎ着けた。
両社のコラボツアーは今回が第4弾。2025年11月の「羽田空港ベストビュードライブ特別編」、今年1月の客室乗務員体験、4月からの成田空港周辺を巡るサステナブルツアーに続く企画となる。ツアー代金は1人35,000円で、全国から41名が参加。はとバスによると、9月8日に発売し、11日朝には満席となった。
ツアーは午前11時20分に東京駅丸の内南口を出発し、まず羽田空港の新整備場地区にあるJALロイヤルケータリング羽田工場へ。移動には、はとバスが8月に導入したばかりの新車「いすゞ ガーラ」が使用された。
工場での昼食として提供されたのは、JALの近距離国際線ビジネスクラスで提供している機内食。オードブルは「サーモンブリニ風」「紋甲イカとイタヤ貝のマリネ」「鴨ローストサラダ仕立て」、メインは「黒豚と黒毛和牛のハンバーグ ガーリックトマトソース」。パンやフレッシュフルーツに加え、韓国路線のビジネスクラスで提供している「和梨マスカルポーネとクリームチーズのムース」もデザートとして提供され、参加者は機内食担当者の説明を聞きながらランチタイムを楽しんだ。
食後は、777運航乗員部の間瀬英明機長と下田遼太副操縦士による「航空教室」を開催。クイズなどを交えながら、パイロットの仕事や777型機の特徴、実際の運航について紹介した。
その後は羽田空港の見学施設「JAL SKY MUSEUM」に移動し、展示エリアや格納庫を見学。今回の目玉として、売却に向けた整備が進められているJA733Jが公開された。
JA733Jは、現地時間5月16日のシカゴ発東京/羽田行きJL9便(日本時間17日着)として営業運航を終えた機体。運航開始からの総飛行時間は90,314時間45分、総飛行回数は10,465サイクルに及ぶ。現在は格納庫内で退役整備が進められており、胴体の「JAPAN AIRLINES」のロゴや尾翼の鶴丸が消された真っ白な姿となっており、エンジンやランディングギアも取り外されていた。
格納庫で機体の説明を担当した777運航乗員部の足立純一機長は、白くなったJA733Jを見て「長く一緒に飛んでいた機体たちなので、白装束でお嫁に行ってしまうようで、本当に寂しい」と心境を明かした。一方で、参加者が間近から機体を見上げる様子について、「圧倒する迫力を見ていただけたと思う」と話し、パイロットが乗務前に行う機体外周点検と同じような目線で777型機を見学してもらえたことを共有できたことを喜んだ。