国立健康危機管理研究機構、ロシア・イルクーツク州の重症肺炎事例を公表 日本への影響は限定的
国立健康危機管理研究機構(JIHS)は、ロシア・イルクーツク州で発生した原因不明の重症肺炎の事例について公表した。現時点の情報から、日本への影響は限定的としている。
ペスト防疫研究所の職員1名が重度の肺炎のため9月29日に入院し、10月2日に死亡したと報道された。一部メディアは、当該職員が肺ペストにより死亡した、業務中にペスト菌を含んだ試験管の破損事故があったなどと報じている。一方、ロシアの公衆衛生当局は、死因を原因不明の肺炎とし、職員からは業務に関連する病原体は検出されず、研究所内の事故もなかったと発表した。
ロシア政府の公衆衛生当局により、接触者約200人が特定され、医療機関などで健康観察下にある。現時点で接触者に症状を呈した者はおらず、地域で重症肺炎を発症した人が増加しているといった報道もない。
世界保健機関(WHO)は、現在入手可能な情報に基づく公衆衛生上のリスクについて、イルクーツク州では中程度から低い、ロシア国内では低い、WHO欧州地域では非常に低いとしており、新たな情報が入り次第、評価を更新するとしている。
同機構は、接触者が特定されて健康観察が実施されていること、二次感染者が確認されていないこと、周辺での重症肺炎の増加を示唆する情報もないことから、当該症例からの拡大を示唆する所見はないとしている。一方で、原因となった病原体は特定されていないことから、今後の調査結果や地域での呼吸器疾患の発生状況に関する続報を引き続き注視するとした。