ANA、SFC制度の見直し背景を説明 会員数はコロナ前の1.5倍、年間カード利用額50万円未満が約3割
全日本空輸(ANA)は9月29日、スーパーフライヤーズカード(SFC)の制度再設計について記者向けの説明会を開催した。
SFCは1986年の誕生から今年で40年を迎えた。会員数は毎年増加しており、現在の会員規模はコロナ禍以前の2019年比で約1.5倍に達しているという。今後、2030年に現在の約1.2倍、2035年には約1.4倍へとさらに増加する見込みとしている。
2028年4月から、ANAカード・ANA Payの年間利用額が300万円以上の人を、「SFC PLUS」として、ANAラウンジの利用、5,000マイルのマイル積算、スターアライアンス・ゴールド資格を付与する。同額未満の人を、「SFC LITE」として、ANAラウンジの利用をできなくするほか、スターアライアンス・シルバー会員に格下げとすることを発表した。発表後、大きな批判を浴びたことを受け、6月には内容を見直すことを明らかにしていた。
制度運用上の課題として2点を挙げた。1点目は国内線ラウンジの物理的な限界で、羽田空港をはじめとする国内主要空港では、出発便のピーク時間帯や年末年始などに満席や入室待ちが常態化している。
2点目は会員サービスの持続性で、SFCの各種優遇サービスは日常のカード利用によって支えられているが、一般的なカードの年間平均利用額が100万円以上であるのに対し、SFC会員は全体の約4割が年間100万円未満、約3割が50万円未満の利用にとどまっているという。会員数が拡大する一方で、カードの利用金額は年々縮小傾向にあるとした。
年間利用額300万円という基準については、年間利用額の減額、搭乗実績(プレミアムポイント)との併用、適用する会員の範囲など、さまざまな条件で検証したうえで、混雑緩和と多くの会員へのラウンジ提供を両立させるために必要と判断したと説明した。
年間利用額300万円未満のSFC LITE会員の国内線ラウンジ利用は、2段階で運用する。第1段階では入室後に確実かつスムーズに着席できる状況で利用できるようにし、混雑予測の仕組みで管理する。混雑時は入室を断る。第2段階では事前予約制を導入し、入室者数をより正確に把握して混雑緩和の精度を高める。
名古屋/中部、大阪/関西、熊本、宮崎の共用ラウンジと成田空港のANA ARRIVAL LOUNGEは従来通り利用できる。国際線は自社ラウンジを従来通り利用できるが、スターアライアンスのステータスがシルバーとなるため、他社との提携ラウンジは利用できない。
SFC LITE会員について、現行制度から変更となるのはラウンジサービスとスターアライアンスのステータスのみで、優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取りなどの空港優先サービス、国内線座席指定の優先、マイルでの特典航空券といった優先予約サービスは従来通り利用できる。
今後の取り組みとしては、2027年度中に羽田空港の国内線ラウンジを拡充するほか、事前予約制の導入に向けたシステム改修も進める。今後、SFC PLUS会員向けの新たなサービスも検討しているという。