カンタスグループは4月15日、従来の予測を上回る需要の回復がみられることを明らかにした。
10月〜12月の第4四半期には、国内線の供給量が新型コロナ拡大前の90%、ジェットスター航空は旺盛なレジャー需要によりほぼコロナ前に戻ることを想定している。当初は80%を想定していたものの、国内需要の増加とニュージーランドとの双方向の往来が可能となったことにより、上方修正した。2022年度には、それぞれ新型コロナ前と比べ、カンタス航空は107%、ジェットスター航空は120%程度の供給を想定する。カンタス航空とジェットスター航空の国内線の乗務員は、すでに全員が復職している。
グループでは、短期的には利益率より”キャッシュ・ポジティブ”なフライトを重視する回復戦略をとる。需要を促進するために低価格の運賃を供給し、利益率の回復は後回しにすることから、供給量の上方修正による収益への影響は比較的小さいとしている。政府が実施した半額運賃プログラムの後押しを受け、ビジネス需要も回復基調にあるという。
運航を再開するトランスタスマン路線では、予約の受付再開から最初の数日間で数万人の予約があった。マイルでの予約は受け付け開始から4時間で通常の80倍あった。国際線の再開に伴い、シドニーとメルボルンのファーストラウンジとブリスベンのプレミアムラウンジの営業を、4月19日より再開する。
また、ジェットスター航空は、エアバスA320型機6機をジェットスター・ジャパンからリース導入し、レジャー路線に投入するほか、国際線で使用されているボーイング787-8型機を、今年半ばから国際線再開までの間、最大5機をメルボルン・シドニー〜ゴールドコースト・ケアンズ線に投入する。この他にも、アライアンス航空と契約し、5月からエンブラエル190型機を3機運航する。
これにより、第4四半期には、グループ全体の9割の航空機が稼働することになる。エアバスA380型機全機や、ジェットスター航空のボーイング787-8型機とエアバスA330型機の一部は飛行を再開していない。カンタス航空のボーイング787-9型機は全機が運航しており、オーストラリア政府に代わり、本国への送還便や貨物便を運航している。
トランスタスマン路線を除く国際線の運航再開は、10月下旬を想定して準備を進めている。オーストラリア政府の新型コロナウイルスワクチンの展開スケジュールなどの変更に伴い、前倒しや延期する可能性もあるという。