エイチ・アイ・エス(HIS)は12月11日、2020年10月期の連結決算を発表した。最終損益は250億3,700万円の赤字となった。
売上高は4,302億8,400万円(前期比46.8%減)、営業損失は311億2,900万円だった。売上高は旅行事業とテーマパーク事業、ホテル事業、九州産業交通が前年より減少したものの、エネルギー事業は増加した。一方で、5つの事業すべてで営業損失を計上した。ワーストケースを織り込み、最終損益を318億円の赤字となる見通しを発表していたものの、上振れて着地したとしている。
助成金収入として99億6,000万円、投資有価証券売却益として10億8,000万円と特別利益に、臨時休業により52億9,600万円、減損損失の53億2,000万円を特別損失に、それぞれ計上した。
前期末と比べ、現預金は56.5%減った一方、自己資本比率は17.8%と1ポイント増加した。グループの従業員数は、旅行事業は11,068名と2,180名減った。旅行業の営業拠点数も529店舗から430店舗に2割程度減らした。国内の営業拠点は、2021年第1四半期に新たに58店舗を統廃合することで154店舗に縮小し、610人の人員減少を見込む。
2021年10月期の通期業績予想は未定。第1四半期は、国内旅行の増収やハウステンボスなどの新型コロナウイルスの影響が小さい事業が回復することにより、売上高360億円、営業損失100億円、純損失63億円を見込む。