コロナ禍で、海外旅行が実質的に禁止されて早半年。当然、あの”ラウンジカレー”もお預け状態で、禁断症状が出ている人がいるとかいないとか。



”ラウンジカレー”こと、「JAL特製ビーフカレー」とは、日本航空(JAL)の羽田・成田空港の「サクララウンジ」と「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」で提供しているカレーのこと。ラウンジの入室資格がある、プレミアムエコノミークラス以上の利用者やマイレージプログラムの上級会員しか食べることができず、”儀式”として出発前に必ず食べるという人も多い。



今年6月からは、JALグループのJAL Agriportが運営するレストラン「DINING PORT 御料鶴」でも提供を開始。ついにラウンジ外に解禁となったと大きな話題となった。



JAL機内で提供しているコンソメスープや「スカイタイム」といったドリンクや、飴「キャンディデスカイ」、ミニカップ麺「ですかい」シリーズは一般販売しており、自宅でも楽しめる。このカレーだけはラウンジ、レストラン以外では楽しめなかったものの、ついに「JALショッピング」で一般販売を開始したのだ。



この記事は、弊社内で実際にあの"ラウンジカレー"を再現しよう、という事になった顛末記である。


「JAL特製ビーフカレー」は、JALショッピングなどで販売中




すでにTRAICYでも取り上げているが、この「JAL特製ビーフカレー」は、JALショッピングで購入するか、マイルを交換することで手に入れることができる。



JALショッピングで購入する場合、1キロ2袋で6,000円。マイル交換の場合は、1キロ2袋で8,000マイル、1キロ4袋で14,000マイルだ。



筆者が常備食とする、皆さんおなじみの「アパ社長カレー」は、1袋200グラム。つまり、1キロは5食分に相当することから、1食あたり600円か800マイルということになる。ちなみに「アパ社長カレー」は1食390円だ。2キロのカレーは、筆者のような一人暮らしの人には充分すぎる量である。



詳細は記事を参照していただきたい。


ラウンジ提供の「JAL特製ビーフカレー」、ネット販売とマイル交換開始
https://www.traicy.com/posts/20200827179805/


あの黒いお皿を調達するために、かっぱ橋道具街へ


ラウンジで提供しているカレーは、写真の通り、黒いカレー皿に自分で盛り付けるスタイルがお馴染み。再現するためにはまず、この黒いカレー皿を調達する必要があるということで、探すことに。





向かったのは東京・台東区のかっぱ橋道具街。約1キロの通り沿いに、調理器具用品や食品サンプルなど、主に飲食店向けの資材を扱う店が立ち並ぶ。スケジュールの都合で日曜に行ってしまったので、休業している店があった。





約3時間ほどかけて、訪問時に営業中だったすべての店(50店舗くらいだろうか)で、この黒いカレー皿を探す。完璧に一致するものは見つからなかったものの、雰囲気が出そうな皿は見つけられた。商品名は「ロハスカレー皿」で、1個880円のところ、450円だった。



社内コミュニケーションツールの「Slack」で、それが良いか、喧々諤々の議論が続いた(編集長談)が、これ以上のものはないということで決定。それなりに及第点ではないだろうか。


ラウンジで提供されているお米を山形県のアンテナショップで購入




JALのラウンジで提供されている白米は、山形県産「雪若丸」。古くから知られている「はえぬき」や、登場から10年あまりが経過し、市場に定着しつつある「つや姫」と比べ、2018年から本格販売している「雪若丸」は、山形県の米の中では存在感はあまりあるとは言えない。



ただ、この「雪若丸」は、これらの品種と異なり、粘り気と粒感が特徴のお米だ。カレーと合うかどうかについては一概に言い切れないところはあるが、「カレーライス」という料理の中で、お米の存在感をアピールし、お米自体の美味しさを味わうことができると感じる。





そんな「雪若丸」は、ネットや一部スーパーなどでも購入可能だが、今回は東京・銀座にある山形県アンテナショップ「おいしい山形プラザ」で入手した。


カレーは冷凍で配送、3〜4人くらいで食べるのが良いか




冷凍のいかにも業務用という見た目のカレーは、ヤマト運輸で到着。配達日指定をしていたにも関わらず、「JALラウンジカレーを食べる会」を開催する前日に、弊社に届いてしまった。社内には冷凍庫がないため1日保管してもらい、開催日に合わせて再度到着。



届いた箱は予想より小さめで、1キロの袋が2つはいっている。1袋あたり27センチ×19センチ×高さ2センチ。レトルトカレーとは異なり、耐熱の包装ではないため、加熱する際は冷蔵庫または流水で解凍した上で袋から出して鍋で温める必要がある。お世辞にも美味しそうとは言えない包装だが、味に期待して、鍋に入れて加熱する。



もちろん、社内に炊飯器、鍋、カセットコンロなどを常備していない。編集長が自宅からわざわざ車で運んできた。お玉とスプーンは職場近くのドン・キホーテ、らっきょうと福神漬けは近くのスーパーで調達した。





後述するが、カレーのお肉が大きめで、電子レンジなどで温める場合はあたためのムラがでてしまうことが心配されるので、鍋で加熱するのが無難だろう。


盛り付け




ここからは至ってシンプルで、鍋で10〜15分ほど加熱し、沸騰直前くらいで火を止めれば完成する。購入したお皿に、炊いておいた「雪若丸」と一緒にカレーを盛り付ける。





福神漬とらっきょうは両方添えておけば、だいたいの見た目は、JALのあのカレーそのものである(グルメメディアではないので、あくまで"ふわっと"見ていただきたい)。



ちなみに左側が補充したばかりで肉が多い状態のカレー、右側が肉が全部なくなってしまった残念な状態のカレーである。ラウンジではよくある話だが、おわかりいただけるだろうか。


実食。思わず懐かしい気持ちに。



まず味わって感じるのは、「あのカレーの味だ」という懐かしい気持ちだ。カレー自体はなにか背伸びをしたような味ではなく、柔らかく仕込まれた大きめのお肉と、少しスパイシーさによって食欲を引き立てられ、どこか日本の家庭のカレーらしさを感じさせる味わいだ。お米がそのカレーを邪魔せずに美味しさを引き立てる。これでこそカレーライスだ。



これから海外に出発するときの、おそらく最後となる日本の料理として食べるカレーライス。すこし懐かしさすら感じるあのラウンジの雰囲気の100分の1は再現出来たのではないだろうか…。





ラウンジと違うのは、自由にトッピングができるところだろう。今回はチーズをトッピングしてみたが、カツカレーやコロッケカレーにしたり、野菜を足してみるのもいいだろう。アレンジは無限大だ。


雑感




JALのカレーが通販されているということで、再現してみようと企画したはいいものの、お皿から買いに行かされ、やはり面倒くさい…もとい、ラウンジのありがたさを実感することになった。はやくまたラウンジを利用したいものだ。



一方で、今回の通販の利用で、新しい発見もあった。今までカレーの製造者は明らかにされていなかったが、某コンビニエンスストアに弁当などを納入していることで有名な企業が製造していることが、同封されていた説明文からわかった。また、原材料なども記載されているため、料理が得意な人は、"あの味"を再現するヒントになるかもしれない。



この「JAL特製ビーフカレー」は、一般的なレトルトカレーなどに比べれば、まあまあ高価だが、実食の価値はあると感じた。ぜひ気になっている方は購入を検討してみてはいかがだろうか。その際はぜひ、器やお米にもこだわってみてほしい。

情報提供元: Traicy
記事名:「 JALのラウンジカレーを再現しようと、カレー皿から買いに行った話【コラム】