東京地下鉄(東京メトロ)は8月11日、有楽町線と副都心線の新型車両17000系を新木場車両基地で公開した。デビューから46年が経過している7000系の置き換え車両として、2021年2月の営業運転開始を予定している。
東京メトロは中期経営計画「東京メトロプラン2021」で、2021年度までに日比谷線、丸ノ内線、有楽町線、副都心線、半蔵門線の5路線に4種類の新型車両を導入すると発表している。このうち、日比谷線13000系は2016年度から、丸ノ内線2000系は2018年度から営業運転が始まっている。
今回公開された17000系は1月に日立製作所から搬入された第1編成。フロントデザインは丸みを帯びた形状で、有楽町線・副都心線のラインカラーであるブラウンとゴールドの帯をまとっている。このラインカラーは従来の7000系や10000系よりもやや明るい色味となった。従来型車両との統一感を持たせるため、ヘッドライトは丸形を採用した。
車内デザインはスタイリッシュさを追求したモノトーン基調としながらも、ラインカラーをアクセントとして配色。シートモケットに黄色、吊り革に茶色が使われている。貫通引き戸やドア横の袖仕切りには透明ガラスを使用して開放感を持たせた。
ドア上の車内モニターは従来と同様に、17インチワイド型LCDを2画面搭載。英語、中国語、韓国語の多言語表示にも対応する。
車椅子やベビーカーに対応したフリースペースも全車両に設けられた。バリアフリー促進のため、床面高さを7000系と比較して6センチ下げ、全ドア出入り口のステップ部分をホーム側に約10度傾斜させる工夫が施されている。フリースペース近くのドアはドアレールの一部に切り欠きがあり、車椅子などでの乗降がしやすくなっている。
なお、2019年に導入された丸ノ内線2000系では車内フリースペースにモバイル用コンセントが備えられていたが、これは他社線への直通運転がない同路線での試験的な導入だったという。他社線への乗り入れがある17000系では導入が見送られている。
17000系は今後、乗務員訓練などを経て2021年2月に営業運転を開始。2021年4月までに10両6編成、2022年度までに8両15編成の導入を完了する。
▲(手前から)17000系、10000系、7000系。フロントデザインは7000系よりは丸く、10000系よりは角張った形状
▲ラインカラーの色調に合わせた黄色のシートモケットと茶色の吊り革
▲袖仕切りには透明ガラスを採用して開放感を持たせた
▲各車両に設けられたフリースペース
▲フリースペース付近のドア下部。ドアレールに切り欠きがある
▲その他の箇所のドアレール
▲運転台
▲マスコットキャラクターの「メトポン」と、今年から仲間入りした「駅街(えきまち)かけるくん」がPRに訪れた。