エイチ・アイ・エス(HIS)が6月24日に発表した、2020年10月期第2四半期の決算は、純損益が34億5,900万円の赤字だった。赤字は2002年の上場以来、初めてだという。



前年同期は49億6,400万円の黒字で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、大きく減少した。売上高は前年比9%減の34億4,300万円、営業損失は14億5,900万円だった。



主力の旅行事業は、各国の渡航制限が強化されたことで、1月下旬より影響が出始め、売上高は前年比12%減の2,995億円8,900万円だった。旅行事業、ハウステンボスグループ、ホテル事業ともに、営業赤字に転落した。九州産交グループとエネルギー事業は営業黒字を確保した。



役員報酬や人件費、広告費の抑制など、年間200億円規模のコスト削減のほか、雇用調整助成金などの活用、借入による資金調達などを行う。主要都市の25拠点では営業を再開したものの、テレワークなどを推進する。



発表した今後のコスト構造の見通しでは、人件費を130億円、宣伝費を50億円、支払手数料を20億円それぞれカットし、約1,000億円程度にまで抑制するとした。ホテルの設備投資は3件をキャンセルし、2件を繰り延べる。不動産への投資も2件をキャンセルした。



海外旅行需要の回復は、第1フェーズはグアムや台湾、ベトナム、第2フェーズはオセアニア、ハワイ、韓国やその他のアジア、第3フェーズはヨーロッパや中近東、最後の第4フェーズでアメリカや中南米、アフリカが回復するとの見通しを示した。日本旅行業協会(JATA)正会員に復帰し、政府観光局などへの積極的な働きかけを通じて、早期の需要回復を目指す。出発2日前まで取消料不要のグアムツアーなど、回復局面に向けた商品を造成し、需要に応える。



今期の連結業績予想は未定。3月2日に発表した業績予想は、売上高7,750億円、営業利益17億円で、11億円の純損失だった。

情報提供元: Traicy
記事名:「 エイチ・アイ・エス中間決算、34億円の赤字