太平洋沖を航海中のクルーズ船「グランド・プリンセス」号で、新型コロナウイルスの感染が疑われる乗員乗客が複数名発生したことから、沖合いで停泊している。
船を運航するプリンセス・クルーズによると、現在のところ感染の確定例はないといい、アメリカ沿岸警備隊は現地時間5日午前にヘリコプターで検査キットを船に届け、船内の医療チームが検体を採取し、カリフォルニア州の検査施設に送る。当局は全ての検査結果が判明するまで、乗客を下賤させない方針で、乗客には部屋にとどまるよう指示している。
また、2月11日から21日までのサンフランシスコ発着のクルーズ後に、急性呼吸器疾患が発生した乗客にも医療関係者に連絡するよう求めている。CNNは、サンフランシスコ発着のクルーズに乗船した客2人が新型コロナウイルスを発症し、1人が今週死亡していたと報じた。もう1人の症状も重いという。
3月7日からのハワイクルーズもキャンセルした。クルーズ料金や前後の航空機、ホテルなどの変更や払い戻し手数料などはケースバイケースで負担し、クルーズ料金の全額にあたる、今後利用できるクレジットを付与する。
「グランド・プリンセス」号は、バミューダ船籍のクルーズ船。1998年に建造し、2011年に改修した。乗客定員2,606人。
プリンセス・クルーズは、カーニバル・コーポレーション傘下のクルーズ船運航会社で、多くの新型コロナウイルス感染者が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号も運航している。