全日本空輸(ANA)とシンガポール航空は、1月31日、戦略的包括提携契約を締結した。
両社はすでに共同運航(コードシェア)を行っており、2021年冬スケジュールからの共同事業開始に向けて、独占禁止法適用除外(ATI)の認可を申請する。開始には当局からの承認が必要となる。
対象国は、日本、シンガポール、オーストラリア、インド、インドネシア、マレーシアの6ヶ国で、プレゼンス向上や競争力確保を見込む。将来的には北米路線を加えることも検討する。
ANAによる共同事業は、アジア・中南米間のユナイテッド航空、日本・ヨーロッパ間のルフトハンザグループに次いで3つ目となり、アジア・オセアニア間では初の共同事業となる。シンガポール航空は、ルフトハンザグループやニュージーランド航空と共同事業を展開している。
シンガポール航空のゴー・チュンポン最高経営責任者(CEO)は、「日本からオーストラリア、インド、マレーシアへの選択肢が広がり、東京とシンガポールの航空ハブを支えるものになる」と強調。日本には1968年に就航し、グループで週108便を運航しているほか、オーストラリアやインドの多くの都市に乗り入れていることから、利用者の利便性が高まるとした。
ANAの平子裕志社長も、運賃やスケジュールを互いに調整することにより、「需要を掘り起こせる」と意気込んだ。