エアバスは、日本航空(JAL)にエアバスA350-900型機初号機を、フランスのトゥールーズで引き渡した。現地時間6月13日午前10時からセレモニーが開かれた。
同機はJL8102便として、同0時半過ぎにトゥールーズを出発。JALの植木義晴会長らを乗せ、日本時間6月14日朝に羽田空港に到着する。トゥールーズを離陸後、旋回して空港上空に再び姿を現した同機は、翼を左右に振って日本へと向かった。
エアバスA350-900型機は、全長66.8メートル、全幅64.75メートル、全高17.05メートル。巡航速度は時速916キロで、航続距離は15,000キロ。日本の航空会社による同型機の運航は初めて。
JALは2013年10月に、A350-900型機18機、A350-1000型機13機の計31機を確定発注、オプションとして25機発注している。JALと統合前の日本エアシステム(JAS)を除くと、JALによるエアバス機の発注は初めてとなる。6年程度かけて、ボーイング777型機を置き換える。初号機は「挑戦のレッド」、2号機は「革新のシルバー」、3号機は「エコのグリーン」として、機体後部にそれぞれ異なる色で、「AIRBUS A350」の文字を塗装した。
引き渡しに先立ち、現地時間12日に行われたメディアブリーフィングで、エアバスのクレア・トーマスA350XWBプロダクトマーケティングマネージャーは、これまでに50社以上から893機を受注し、278機を引き渡したという実績や、99.3%と高い運航信頼性を強調した。受注の3割がアジアで、アジアから欧州や北米に運航するのに適した機材であることが評価されているという。JALも長距離国際線にA350-1000型機を投入する見通し。
すでに同機種を導入しているシンガポール航空は、短距離便のシンガポール〜クアラルンプール線だけではなく、超長距離便のシンガポール〜ニューヨーク線にも投入していることから、短距離も長距離もこなせ、展開するシリーズすべての共通性があることから、「保有機材全体をうまく補完するソリューションである」(同)と重ねた。
燃費効率はこれまでに比べて25%削減したほか、機体の材質の大半は複合材料を活用することで、メンテナンスコストをこれまでより低減できるという。特徴的な翼端のほか、エンジンはロールス・ロイス製のトレントXWBを採用しており、機体とエンジンが完全にマッチする組み合わせとして、燃費効率の向上に寄与しているという。
JALは9月1日より、東京/羽田〜福岡線にA350-900型機を投入する。毎月1機のペースで受領し、「早い段階で3機揃う」(植木義晴会長)とした。