全日本空輸(ANA)は2月17日、東京/羽田〜ウィーン線を開設した。
ANAとして欧州では7番目、世界では44番目の就航都市となり、欧州路線は7路線週112便体制に拡大する。東京/羽田を深夜に出発し、ウィーンには同日早朝に到着。折返し便はウィーン線を昼に出発し、東京/羽田に翌日の早朝に到着する。ウィーンではオーストリア航空をはじめとしたルフトハンザグループ便で、ヨーロッパ68都市へのスムーズな乗り継ぎができる。機材はビジネスクラス48席、エコノミークラス167席の計215席仕様のボーイング787-9型機を使用する。
例えば、東京/羽田発の場合、ウィーンでは40分でプラハやミラノ行き、1時間10分でコペンハーゲン行きに乗り継ぎことができ、朝のうちに各都市に到着できる。ANAのヨーロッパの就航都市では一番東に位置しており、ブカレストやソフィア、ザグレブなどの東欧やミラノ、ジュネーブ、リヨン、ストックホルム、コペンハーゲン、プラハなどへのスムーズなアクセスを提供する。
出発前に開かれたセレモニーで、ANAの平子裕志代表取締役社長は、「日本とオーストリアの国交樹立150年の節目の年に直行便を開設できることを心から喜ばしく感じている。ウィーンと聞けば、音楽と芸術の都。多くの美術品、クラシック音楽、オペラ、バレエなどの芸術作品いたるところで観ることができる。加えて、昨今、教育や安全、医療、インフラの面で評価が高まっており、世界で最も住みやすい都市に選出された。ますます観光、ビジネスの需要が増えていくものと期待している。オーストリアはヨーロッパ大陸の中心、交通の要衝として重要性を発揮している。高速鉄道の利用も便利だが、パートナーのオーストリア航空の協力を得て、ヨーロッパの各都市にスムーズに乗り継ぐことができる。」と述べた。
初便は、スターウォーズに登場するキャラクターである「R2-D2」を描いた特別塗装機「R2-D2 ANA JET」(機体記号:JA873A)で運航し、乗客には記念品として革製のポーチをプレゼントした。2月15日より首相として初めて来日し、広島訪問や首脳会談などに臨んでいた、オーストリアのセバスティアン・クルツ首相も搭乗した。クルツ首相は世界で最も若い首相で、学生時代にバックパッカーとして以来の訪日だった。
ANAの東京/羽田発着のヨーロッパ方面唯一の深夜便であるフランクフルト線は、ビジネスクラスを中心に慢性的に混雑している。日本・EU経済連携協定(EPA)の発効による自由貿易の促進に伴い、ビジネス需要の増加が見込まれており、ウィーン線の開設で、混雑の緩和も期待できる。
NH205 東京/羽田(01:55)〜ウィーン(06:00)
NH206 ウィーン(11:50)〜東京/羽田(06:55+1)