楽天は、9月をめどに楽天トラベルを全面リニューアルする。
楽天トラベルは1996年のサービス開始時に設計したプラットフォームを基盤として、改良・改修を重ねて現在まで運用。今回、全面リニューアルを実施することについて、同社執行役員・ライフ&レジャーカンパニー ヴァイスプレジデント トラベル事業事業長の髙野芳行氏は「インバウンドの急増や民泊の浸透など、旅行業界全体が急速に変化している。さらに成長するために進化していかなければならない」と背景を説明した。
また、同社執行役員・ライフ&レジャーカンパニーCTOの星野俊介氏は、海外OTAの台頭なども背景にあると説明したうえで「今の基盤をもとに戦うのは限界がきている。抜本的に変えたい」と強調。現在の楽天トラベルへのデバイス別のアクセスは、トラフィックベースでスマートフォンが60%から70%を占めているといい、「パソコンはマイノリティ」(髙野氏)。今後もスマートフォンからのアクセスが大多数を占めると予想されることから、スマートフォンから見やすいプラットフォームを構築する「モバイルファースト」をキーワードに挙げた。
また、6月に民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されることに合わせて国内民泊施設の掲載も計画。楽天とLIFULLとのジョイントベンチャー「楽天LIFULL STAY」が開設予定の民泊サイト「Vacation STAY(仮称)」に登録された民泊施設の在庫を、9月以降に楽天トラベルにも供給するという。
さらに髙野氏は「楽天トラベルの強みは会員基盤、ビッグデータ、ブランド。日本国内の楽天会員は9,340万人にのぼり、類を見ないほど膨大なデータを蓄積している」と自信を見せる。
リニューアル後のスマートフォン用サイトのトップ画面は、「検索フォーム」と「あなたへのおすすめ」の2つのみが表示されるシンプルなものになる。蓄積されたデータとAIを用いて、ユーザーの趣味嗜好に合わせた情報を表示し、検索結果はレコメンドベースの表示順とする。こうしたパーソナライゼーションの強化によって、ユーザーと宿泊施設とのベストマッチングを実現するとしている。