大手観光開発会社の加森観光は、500ドットコム社をはじめとする機関投資家とルスツリゾートへの投資に合意したことを明らかにした。初回投資規模は1,500億円超を見込む。
1月18日から21日までの日程で、加森観光は北海道の観光分野や成長分野に投資意欲を持つ機関投資家を北海道に誘致。全世界に6,000万人以上のユーザーを有するオンラインカジノ企業である500ドットコム社最高経営責任者(CEO)の潘正明氏を視察団長とし、セコイア・キャピタル・チャイナ取締役総経理の孫謙氏、ビジョン・ナイト・キャピタルの朱海龍氏、SIG・アジア・インベストメントのロバート・ウェイ氏が北海道を訪れた。外国人に知名度の高いルスツやニセコのほか、周辺の洞爺湖、定山渓、札幌などの観光地区の視察を予定している。
ルスツリゾートは加森観光がカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を進めている。観光客が多く滞在する札幌や小樽、温泉地である洞爺湖、定山渓のほか、新千歳空港からのアクセスにも優れており、新千歳空港や札幌へは15分ごとにシャトルバスを運行する。加森観光では保有地に2,000メートル級の滑走路の建設や水上飛行機を活用したアクセスも計画しており、近隣国からの富裕層の取り込みを目指す。新千歳空港へはビジネスジェットの乗り入れが発着枠が限られていることなどの制限があり、滞在型リゾートであるルスツリゾートは、”富裕層の北海道の玄関口”としての機能を果たすものとみられている。この他にも北海道では、北広島、苫小牧、釧路へのIRの誘致計画がある。
セコイア・キャピタル・チャイナは420億米ドル、ビジョン・ナイト・キャピタルは14億米ドル、SIG・アジア・インベストメントは11.2億米ドルと10億人民元の資金規模を誇る。状況に応じてさらなる投資も検討するほか、投資する企業を通じて北海道への送客も見込む。
2016年度の訪日外国人来道者数は、前年度比10.6%増の230万人に急増している。