JR西日本は、国内初となる線路設備診断システムを山陽新幹線に試行導入する。
現在、保線員が線路を歩いて目視で行っている検査を、画像処理やセンシング技術を活用して、車両を走らせることで検査できるようにしたもの。「軌道検査測定装置」と「継目板検査装置」の2種類のシステムを保守用の動力車に連結し、時速50キロメートルで効率的に線路状態を把握できる。「軌道検査測定装置」は、左・右と中央各1カ所にある3台のカメラで軌道全体を撮影・測定し、「継目板検査装置」は、左右各2カ所にある4台のカメラでレール側面の継目板を撮影・測定。「軌道検査測定装置」、「継目板検査装置」とも、カメラで撮影した画像を解析し、整備が必要な箇所を自動判定する。画像を解析して整備が必要な箇所を自動判定するシステムの導入は国内初となる。
9月から山陽新幹線で試行導入し、軌道状態のデータの取得を始める。その後、データ照合・微調整を行い、4年から5年後での実用化をめざす。将来的には北陸新幹線や在来線での展開も予定している。