みなさんこんにちは。トラベルジャーナリストの橋賀秀紀です。2019年からいわゆる「出国税」が徴収されるようになるので、それまでに安近短(古!)の海外旅行をしておかないとと焦っておりますが、みなさんはいかがでしょうか?
さて、今回はいわゆる格安ビジネスクラスのお話です。
1月末、世界最大規模の航空旅行掲示板フライヤートークの「Premium Fare Deals」にこんなスレッドが立ちました。
https://www.flyertalk.com/forum/premium-fare-deals/1891284-china-eastern-tokyo-maldives-903-rt.html
中国東方航空といえば、つねづね日本〜モルディブ往復のエコノミークラスが4万円台と格安の航空券を販売していますが、ビジネスクラスについてここまで安いのは珍しいのではないでしょうか。
そこで、さっそく航空券のルールを調べてみました。
出発都市は札幌/千歳・東京/羽田・東京/成田・静岡・名古屋/中部・小松・大阪/関西・岡山・広島・福岡・長崎・沖縄/那覇でいずれも同料金。訪問可能都市はコルカタ・シェムリアップ・プノンペン・シンガポール・コロンボ・チェンマイ・バンコク・プーケット・カトマンズ・ダッカ・マニラ・ホーチミン・クアラルンプール・マンダレー・ヤンゴン・ヴィエンチャン・ルアンパバーン・チェンライ・マレ(モルディブ)の東南アジア、南アジア各地です。
往復運賃は82,000円で、予約クラスは「I」、フェアベーシスは「IPRJPS」。購入期限は出発14日前までで、旅行期間は1泊から6ヶ月以内です。オープンジョー、ストップオーバーも片道あたり2回まで無料で可能です。3月31日出発分までが対象となっています。燃油サーチャージ・諸経費込みだと10万円強になります。また、中国国内線ではファーストクラスも利用できます。
さて、気になるのはマイレージの積算率。さっそくWhere to creditで調べてみましょう。
JALマイレージバンクの積算率は125%、そして中国東方航空と同じスカイチームに加盟するデルタ航空への積算率はなんと200%です。ちなみに羽田からモルディブまで上海経由で往復した場合、デルタ航空にはどのくらいのマイルが積算されるのでしょうか。
今度はGreat circle mapperの出番です。
積算率100%では9,446マイル、積算率200%では18,892マイルが積算されます。15,000マイルあれば大韓航空の日本〜韓国のエコノミークラスの往復特典航空券がゲットできるので、「10万円ちょっと出してビジネスクラスでモルディブに行くと、おまけで韓国行き航空券ももれなくタダでついてくる」というなかなかおいしい話になります。
ところが世の中そんなにうまい話ではないということは、皆さんがよくご存知のとおりです。
中国東方航空のビジネスクラスは、日系をはじめとした世界最先端のビジネスクラスと比べるとどうしても見劣りがしてしまうのは事実。2014年4月に中国東方航空のビジネスクラスでモルディブに行った舛田学さんによると、成都からモルディブまでのフライトでは、トランプ賭博で盛り上がったおっさん集団に対してキャビンアテンダントが注意することもなく、修羅場のような居心地だったといいます。また、筆者が2014年8月に日本からドバイまで中国東方航空のビジネスクラスで往復したときはビジネスクラスであるにもかかわらずシャンパンが提供されませんでした(一部路線では現在シャンパンを提供している)。
しかし冷静に考えてみれば、他社のエコノミークラスの航空券と金額は大差ないわけです。ビジネスクラスですから各空港でラウンジを利用できますし、マイルも上述したように積算率が高い。3月までと期間は短く、また全区間でIクラスの空きがあるところといえば限定されてしまうと思いますが、この機会にぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。