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JB64ジムニーのポテンシャルを余すことなく引き出すために、欠かすことのできない重要な要素のひとつが高性能なサスペンション。
各社それぞれに特色をもっているのでサス選びには頭を悩ますところだが、選択肢として外せないのが、その精度と独自のセッティングが魅力のビルシュタインだ。
ビルシュタインは1954年に、世界ではじめてガス封入式単筒ダンパーの実用化に成功したドイツのメーカー。
その基礎技術の高さに長年蓄積された豊富なノウハウを加えて、車種毎のベストパフォーマンスを発揮できるサスペンションを開発し続けている。
ポルシェやフェラーリなど世界の自動車メーカーがトップモデル用に採用するビルシュタインが、アフターマーケット向けのサスペンション開発のために世界5ヵ所に設置しているのがビルシュタイン・テクニカル・センター(BTC)。
そのなかでも独自の取り組みをおこなっているのが、日本のBTCなのだ。
「JB23用まではドイツで開発したものでしたが、今回のJB 64 用から国内開発となりました。
ライトチューンを望むユーザーに合わせて、手軽なダンパーのみの交換でノーマルで問題となる大きなロールを改善しています」と、テクニカルセンター長の矢代さんは説明してくれた。
純正タイヤとスプリングに合わせてベストセッティングを目指したダンパーは、36φ大径ピストンを採用するモノチューブタイプ。
しなやかに動く特性を生かして乗り心地を確保しながら、伸び側の減衰力を効かせて、コーナリング時のロールをしっかりと抑えているのが特徴。
実走テストを繰り返しながら、乗り心地と高速走行時の安定性、コーナリング時の操縦応答性を高次元でバランスさせている。
試乗してみると、剛性感を感じる硬質な乗り心地は、ヨーロッパのスポーツマシンに通じるフィーリング。
横方向、縦方向のムダな動きがうまく調教されていて、ジムニーには不得意なはずの高速ダウンヒルも不安感なく楽しく走れたぞ。
純正のブリヂストンデューラーH/Tで開発を進めたJB64用ビルシュタインB6ダンパー。
デモ車装着のホイールはブラックディスクとポリッシュリムのコントラストがカッコいいラ ストラーダのティラード・クロスだ。
運転席、助手席ともブリッド製のストリームに変更し、B6ダンパーにふさわしいホールド性を確保している。
多少の汚れも水拭きで手入れできるタフレザー表皮は、ジムニーにベストマッチだ。
●価格:10万円(1台分・税別)
純正交換タイプのB6シリーズに加わったJB64用。
ダンパー交換のみで、高速安定性と操縦応答性の向上を図れるのが魅力。
取り付け部には剛性感と耐久性を高める金属カラーを追加したブッシュを採用している点にも注目だ。
約3ヵ月間テストを繰り返して日本のBTC(ビルシュタインテクニカルセンター)が開発した自信作と語ってくれた矢代センター長。
「バフ掛けとニッケルメッキの下処理後に塗装されるダンパーの仕上げのよさも、日本ならではのこだわりです」。
ハイパーレブ vol.235 スズキ・ジムニー No.5 2019年5月31日発売号より
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