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クルマを運転するにあたり最も重要なパーツなのが、身体を支えるシート。正しい姿勢で座ることは疲労軽減にもつながり、確実な操作にも直結する。その最高峰が、レカロ。その歴史はなんと100年以上にも及ぶ、名門中の名門。
馬車メーカーとして1906年、ドイツで誕生したレカロは、常に「人間はどのように座るべきか、どうすれば正しく身体を支えることができるのか」を追い求めてきた。いわく、座るという姿勢は人間にとって、立つことよりもはるかに不自然で、疲れる態勢。これを正しい姿勢へと近付けるため、レカロは人間工学や整形医学の見地を自動車用シートへと応用してきた。
それまで住居用の椅子が採用されてきた自動車用シートにとって、だからこそレカロのシートは革命だったわけで。1963年に世界初のカーシート専門メーカーとなったレカロは、1965年に世界初のサイドサポート付きスポーツシートを開発。
調整式ショルダーサポートやヘッドレスト、空圧式ランバーサポートの採用など、今では一般的となった数多くの斬新な定義を、当時のレカロは次々と世に送り出してきている。
ではなぜレカロは長く、広く、愛されるのか。その鍵となるのは先ほども触れた、人間工学を基とした製品開発にある。レカロ製シートのスタンダードは、フレーム+身体全体を支えるパネル構造で、そこに型くずれしにくく高密度な独自開発のウレタンパッドを備える。
特有のフォルムもレカロのコンフォート性のキーポイントで、一般的な木の椅子などは長時間座っているとお尻が前方へとズレていくものだが、骨盤を三方向から支持するフォルムを採用するレカロは、その前すべりが起こらない。骨盤がズレずに正しい状態で固定されるため、骨盤から背骨のラインが自然とゆるいS字カーブを描くようになり、つまり正しい姿勢で「立っているように」座ることができるという構造だ。
肩、脇、背骨の腰椎部、骨盤、大腿部といった身体の各部をサポートできるということは、座ったときの正しい姿勢が固定されるということ。だから車体が左右前後へ振られても、手足で踏ん張る必要がないから、身体への負担を軽減できる。これはひとえに、レカロが人間工学的見地からシートを開発している事実があるからに他ならないのである。
その卓越したコンフォート性とクオリティの高さから、レカロシートには世界中の多くの自動車メーカーが注目している。ハイパフォーマンスモデルの純正シートとして採用されることも多く、AMGやロータス、マスタングにGT‐Rなどはその代表格。もちろんモータースポーツの世界でもそのホールド性、耐久性の高さから、ニュルブルクリンク24時間耐久レースやポルシェカップ、数多くのラリー選手権などで、ドライバーを支え続けてきている。
そして今やその世界は、自動車だけに留まらない。世界有数のビッグクラブが運営する数多くのスタジアムで採用されるスタジアムシートは、身体が資本となるトップアスリートたちを支える椅子として欠かせない存在に。日本では、鈴鹿サーキットに併設される鈴鹿サーキットホテルで、鈴鹿サーキットとレカロのコラボによる専用シートが、全客室に導入された。
それもこれも、レカロ製シートが疲労軽減、腰痛予防などに効果があることを、誰もが認めているからこそだ。
フルバケット式のスポーツタイプに始まり、腰痛予防に重きを置いたモデル、贅沢感あふれるレザーモデルに、サイドサポートを低くして乗降性に配慮したモデルまで。レカロにはさまざまなタイプのシートが設定されている。
レカロ=レーシングカーというイメージは強いかもしれないが、実はその敷居は低く、腰痛対策として、ドレスアップ要素のひとつとしても、使いやすいこともレカロの魅力。
純粋に、身体がラクになり、運転が楽しくなる。それがレカロの真実である。
問:レカロコール 0800-919-5881
https://www.club.recaro-automotive.jp
スタイルワゴン2019年7月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]