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ひと言でカスタムといっても、多種多様なスタイルがある。それがSUVならなおさら。最近ではUP Styleのアプローチが元気のようだ。そこでプラドを題材にして、UP Styleを追求する長期レポートを始める。まず第1回目はお披露目から。今後のカスタムを考えるだけでワクワクする。
最近、90年代リバイバルを含めて、ゴツいワークブーツがトレンドアイテムとして注目されている。アウトドアを感じさせるタフなスタイルを持ちながらも、フォーマルなシーンでも使えて、むしろ都会でこそ映える。そんな妙味があるワークブーツと、それをサラリと着こなすスタイルがウケている。
クルマの世界でも同じようだ。
SUVがブレイクし定着するに従って、そのカスタム手法は拡がりをみせている。例えば大口径ホイール&ローダウンといった定番とは真逆をゆく“アゲ系”のスタイルは、まさに都会で履くワークブーツだ。もちろん海へ山へ繰り出すアウトドアツールとして選びたくなるものの、交通環境の整った日本で重要なのは、いかにストリートでセンスよく乗りこなすかということ。
それがユーティリティカーである以上、過度な我慢や不便だって強いられたくはない。そんなアプローチを実践したいと、今回からランドクルーザー・プラドの長期レポートを始めることにした。
プラドはSUVブームが訪れるはるか昔から“国産クロカン四駆”界の王道選手だ。クロカン四駆やオフローダー世界のカスタムアプローチは、もはや数多く存在する。そうした流れを取り入れつつも、イマドキっぽいカジュアルなUP Styleカスタムを追求してみたい。
ベースに選んだのはTXのガソリンモデル。ラインアップの中ではエントリーグレードであり、内外装はシンプルなもの。シートはファブリックだし、ホイールも17インチにとどまる。だけど、アレコレ手を加えていくことを考えると、むしろこのくらいの素の状態の方が好ましい。TXのプライスタグは353万8080円〜で、最上級のTZ-Gとは180万円以上の開きがある。
ガソリンとクリーンディーゼルというエンジンの違いはあっても、その差額をカスタムに充てて、より自分好みに個性化を図るのなんて面白そうだ。トヨタ・セーフティセンスなどの予防安全装置は、TXにだって標準装備されているから、なにも不満はない。
手元に来てからというもの、まだ使い倒すほどに乗れてはいない。だけど早速、カスタムの内容をアレコレと夢想する毎日である。まずはホイールとタイヤを、そして無理のない範囲でリフトアップして。あとは内外装のドレスアップにルーフボックスに、ナビやオーディオも自分好みにしてみたい……。
実は事細かくネットをチェックして、すでにアマゾンで小物を購入してしまったりもして。とにかくプラドみたいな存在が手元にあるだけで、とても夢が膨らむのは新鮮な発見だった。とはいえ、やみくもにイジり倒してもチグハグになってしまう。そこで今後は、UP Styleカスタムに力を入れているBABY EYE’s(ベイビィ・アイズ)と相談しながら進めていくことにした。カーラッピングに定評があり、Ninja Styleというオリジナルブランドで世界へ発信している彼らだけにとても心強い。
ともあれ今回はベース車両のお披露目まで。次号からプラドカスタム計画をいよいよ始める。桜の木の下にたたずむ初々しい純正プラドが、これからどんな進化を遂げていくのか。乞うご期待、である。
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スタイルワゴン2019年6月号より
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