- 週間ランキング
ローダウンパーツと言えばやはり主流は車高調とエアサス。ダウンサスという交換型スプリングもあるのだが、講師の佐藤さんのショップ、カスタムガレージ スパイスのお客ではそこまで多くはないという。
「『なんでも良いからとりあえず落としたい』という方の中にはダウンサスを選ぶ方もいます。ただお客様の数では、ほどほどのローダウンでも車高調を付ける方が圧倒的に多いですね。ダウンサスは手軽な反面、一度つけてしまうと車高や乗り味を変えられない点がネックです」。
では、車高調とエアサスではどちらの足まわりの方が良いのだろう?「この2つは単純に『どちらが優れている』というわけではありません。どちらもメリットとデメリットがあるからです」。
車高調のメリットは、何と言っても価格と性能のバランス。ある程度自由に車高を決めることができる上に、全長調整式車高調の登場によって「落としたままでも乗り心地を確保しやすい」。ただし、エアサスとは違い停まったその場で簡単に車高を上下するのは難しい。対してエアサスは性能と利便性の両立が可能。オフ会などではガッツリ落とした姿を見せつつ、普段乗りは段差などを気にせず走れるというのが最大のメリットだろう。反面、総額では車高調よりもかなり高額となる。
「大切なのは、どちらが自分に合っているかを良く理解することです。そうすれば、ベストなチョイスができます」。
足まわりパーツは人によって最適解が異なります。なぜなら、それぞれクルマの乗り方や使い方が全然違うからです。予算はもちろん大事ですが、一緒に乗る家族がいるかどうか、限界まで落とし切って駐車場に入れるかどうかも重要。日々のクルマの使い方と理想のローダウンをチェックシートを手掛かりに探ってみてください。
ブリッツ・ダンパーZZ-R
「好みの高さにセッティングし、そのままの車高で走る」足まわり。車高を変えるにはジャッキアップやリフトアップが必要となる。
ボルドワールド・レボリューションⅠスーパーダウン
「停車時は大きく下げ、走行時は上げる」など、スイッチ操作で車高を変えられる足まわり。利便性の高さに比例し、高価なアイテム。
A:20万円程度
B:50万円以上
A:無理なく走れる程度
B:誰よりも落としたい
A:自分一人しか乗らない
B:家族も乗る&運転もする
A:整備されていてキレイ
B:大きな段差がある
A が多い ➡ 車高調
B が多い ➡ エアサス
自分に合った足を見つける目安は大きく分けると4つ。AとBどちらが多いかである程度の判断基準となる。優先順位を付けてから挑戦するとなお良し。
車高調
本体代10万円〜 + 取り付け工賃2万5000円※30ヴェルにスパイスでつけた場合 = 総額12万5000円〜
エアサス
本体代30万円〜 + 取り付け工賃10万円〜※30ヴェルにスパイスでつけた場合 = 総額40万円〜 +・構造変更・車検代
車高調
車高調でのローダウンは基本的に「セッティングした高さで走る」のが前提。「着地するほどの低さにしたい」という場合にはタイヤハウス内やフレームの一部まで含めた加工が必要となるため、不可能ではないものの超上級者レベル。「自分が運転できる範囲内でのローダウン」が現実的な路線と言って良い。
エアサス
走行時と停車時の車高を切り離して考えることができるため、「誰よりも低くしたい」ならエアサスの方が作りやすい。反面、「低いまま走る」という点では不利。全長調整式エアサスの登場により可能にはなったが、「それでもエアサスでも低いまま走るのは上級者レベルです」。
車高の上げ下げに関しては非常に便利なエアサス。ただし、耐久性を維持するためには日頃からしっかりとしたメンテナンスが必要となる。水抜きなどをサボっていると、使い方や環境次第では1年程度で不具合が起きることも。面倒臭がりな人には向いていないかも……。
自分一人で乗るクルマなら理想を追求しても構わないだろうが、ファミリーカーとなれば話は別。家族の快適性はもちろん、配偶者が運転するか? 配偶者はローダウンに慣れているか? も考慮に入れる必要がある。また、駐車場近辺の路面・段差状況によっては「落としすぎると入れない」などの可能性も考えよう。
家族も運転するならエアサスの方が安全ですよ