- 週間ランキング
後期モデルになってようやく装備された単眼カメラ(前期はミリ波レーダー方式)を使った自動ブレーキ。 気になるのはローダウンしてもトヨタセーフティセンスはちゃんと作動するかどうかってこと。
今回は約50mmローダウンしているブリッツのデモカーを使って各種機能を検証。
30系が後期モデルへとマイナーチェンジしたことの最大のトピックが「トヨタセーフティセンス」の搭載にある。もちろん、フロントフェイスの大幅なデザイン変更はパッと見で前後期の違いが明確なのでそこに目がいきがちだが、じつは密かに装備された「単眼カメラ」が待ってましたの機能を生み出すのだ。
意外かもしれないが、30系の前期モデルには一部のグレードを除いて自動ブレーキことプリクラッシュセーフティシステムが標準装備されていない。一応メーカーオプションで選べるものの、それはミリ波レーダー方式ではっきりいって頼りないシステムだ。しかし、後期は違う。単眼カメラ搭載によって、クルマや人、ときには自転車などを正確に見分けることを可能とした。道路の白線だって認識できるので、ステアリングのサポートだってしてくれる。いわば、ほぼ自動運転状態でドライブを楽しめる。これだけで後期に乗り換えたっていいくらいだ。
そこでせっかく進化した安全&快適装備なのだから、気になるのはローダウンして車高が変わっても使えるのかってこと。今回はブリッツの車高調「ダンパーZZ‐R」を組んだデモカーで検証実験をしてみた。ブリッツの小林さんいわく「ブリッツとしてはしっかりと実走行のテストをしておかしなところはないかチェックしています。乗り心地やコーナーリング性能はもちろんですが、先進装備などがちゃんと機能するかも確認をしています」とのこと。つまり、後期に装着してトヨタセーフティセンスが使えなくなってしまっては意味がない。
実際に一般道から高速道路までドライブしてみたが、ミリ波レーダーと単眼カメラともに作動は良好。数ある機能のなかでもレーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストに重点をおいてチェックしてみたがまったく問題なし。最低地上高を割らなければ、後期モデルも安心してローダウンドレスアップを楽しめそうだ。
トヨタセーフティセンスは車両に取り付けられた「単眼カメラ」と「ミリ波レーダー」から得た情報によって作動する仕組み。ミリ波レーダーは前期モデルにも搭載されていたが、単眼カメラは後期モデルから装備されたシステムなので、どこに装着されているかチェックしよう。
いわゆる自動ブレーキのキモとなるのは単眼カメラによる検知が重要。物体のカタチや大きさが識別できるようになっており、クルマや人物はもちろん、白線や標識までも認識する。ローダウンによってボディ全体が下がるので必然的に単眼カメラの位置も下がった場合に機能するか検証する。
30系アルファードとヴェルファイアの場合はそれぞれフロントエンブレムの裏側にミリ波レーダーが備わっている。ここから照射されるレーダーによって前方のクルマとの距離などを計測する。こちらもローダウンによって位置が下がるので動作確認を検証。
先行車発進アラーム 先行車発進告知機能
信号待ちなどで前のクルマが進んでいるのに気がつかなかった場合にアラームで知らせてくれる機能「先行車発進アラーム」は、ミリ波レーダーに加えて単眼カメラでの検知となっている。
今回、一般道の実走で複数回試してみたがすべて間違いないく動作した。
単眼カメラによって道路の標識を読みとる機能「ロードサインアシスト」は、ローダウンをしていてもしっかりと検知。
高速道路はもちろんのこと、一般道でもしっかりとマルチインフォメーションディスプレイに表示された。認識速度、精度ともに問題なし。
トヨタセーフティセンスのなかでも、普段の生活でもっとも役に立つのが「レーダークルーズコントロール」だ。しかも後期モデルになってなんと上限180キロまで速度設定できるようになっている(前期は115キロまで)。ハッキリいってなぜ180キロ設定ができるのかは謎だが、今回は高速道路を100キロの設定で走行してみた。
基本的にミリ波レーダーを使用して検知しているので、ローダウンした状態で認識するかが問題だが、機能をONした段階からエラーなどのトラブルもなく、全速度で快適に追従ドライブをしてくれたぞ。
ローダウンした状態で走行していてもとくにエラーメッセージなどがでることはなく、通常通りにレーダークルーズコントロールをセットできる。
設定速度を100キロに設定して走行してみたが、前方のクルマが減速するとそれにあわせてしっかりと一定速度で追従した。車間距離も設定通り。
ミリ波レーダーを使ったクルーズコントロールで、設定した速度で走行することはもちろん、前方にクルマがいる場合は車間距離や速度にあわせて加減速を自動でする機能。全車速追従機能付きなので、渋滞時などのノロノロ運転にも対応する。
普段のドライブで単眼カメラの恩恵を1番わかりやすくうけるのは「レーントレーシングアシスト」だ。50系プリウスなどが搭載している「レーンディパーチャーアラート」をさらに進化させたシステムとなる。
今回は高速道路で使用してみたが、ローダウン車でも機能は正常に働いており、白線の認識からステアリングのサポートまですべて正常の確認がとれた。レーダークルーズコントロールも正常に作動することは実証済みなので、同時に使用してみると前方のクルマに合わせて車速をコントロールしつつ、車線の中央をキープするというほぼ自動運転状態も実現。
白線をすぐに認識しており、どちらかの白線によるとブザーとディスプレイでの警告が正常に作動した。もちろん、ステアリングにも制御がかかって的確にサポートしてくれた。
単眼カメラをつかって白線などを認識。道路からはみ出しそうになるとブザーとディスプレイ表示で注意されるとともに、自動でステアリングの操作を制御する。さらにレーダークルーズコントロールを併用すると車線の中央をキープしてくれる。
サスペンション自体にセンサーなどがついているわけではないのでトヨタセーフティセンスに影響はないと思われますが、実際走行してみてもすべてしっかりと作動しましたね。今回はプリクラッシュセーフティシステムまで検証できませんでしたが、普段のドライブで便利なレーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシストのどちらも問題なく作動しました。それぞれミリ波レーダーと単眼カメラを使った機能なので、どちらも正常ということになります。ただし、トヨタもうたっているように、過信してシステムに頼りすぎないようにしてください」。
30系アルファードとヴェルファイアは後期モデルになってフロントフェイスのデザインが大幅に変わったり、トヨタセーフティセンスが搭載されたりと、じつはかなり革新的なマイナーチェンジとなっているのが特徴的。しかし、じつはサスペンションの構造自体は前期モデルから変更はない。ダンパーのセッティングなどに多少の違いはあるとのことだが、構造が同じなので前期用の車高調などはそのまま装着が可能となっている。ただし適合は必ず確認しよう。
■車高調:ブリッツ ダンパー ZZ-R
■ホイール:エンケイ・オールエイト(20×9.5+35)
■タイヤ:ダンロップ・ルマンファイブ(245/40-20)
FRONT
REAR