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スマッシュヒットを飛ばす車高調『ダンパーZZ‐Rシリーズ』。
中でも、フラッグシップとなるスペックDSCプラスは、減衰力を自動調整するフルオートモードを搭載するなど話題のハイエンドモデルだ。
加速度(G)を計測するGセンサーや、車速と連動することでシチュエーションに応じて細やかに減衰力を調整できるのが最大の売り。
ただ、出来るコトが多いので、100%使いこなすには相応の知識と、好みの減衰力を探る為にドライブ時間を費やす必要がある。
そこで、新たな試みとして車種ごとに、ブリッツが推奨する減衰力を各モードごとにホームページで公開することになった。
つまり、推奨の減衰力データを入力すれば乗り心地の良い仕様がカンタンに実現できるというワケ。
ブリッツのデータは純正+αの乗り心地に近づける為の数値。
もちろん好みがあるので、ココからさらに自分仕様に仕上げていくことができる。
まるっきりの白紙からセッティングするより、ブリッツ仕様から始めれば手間暇もグッと少なくてすむし、変化も分かりやすくなるはずだ。
用意されるデータは、フルオートモードをはじめ、スタンダードやアドバンスド、MAP制御モードに対応。
アルファード&ヴェルファイアなら駆動方式と搭載エンジンごとに全部で5種類のデータが公開される。
例えば2・5Lハイブリッド4WDのデモカーの場合フルオートモードで、フロント16、リア12という数値が推奨。
スペックDSCプラスで一番使われるであろうフルオートモードの数値を軸に、そこから好みによって硬さを調整すればいいのだ。
自動で調整しないスタンダードモードには、街乗り[スタンダード]、街乗り[高速]、街乗り[ソフト]、街乗り[ハード]、街乗り[後席乗車]など、シチュエーションごとのデータをCH1~CH5に登録できるように公開している。
少し難しくなってしまったが、これは減衰力セッティングを楽しむ為の指針となる数値と思ってくれれば良い。
ブリッツのサスペンション開発陣が実際に乗り倒して決めた数値の為、大きくハズすことは無いハズだ。
そこから先がスペックDSCプラスの真骨頂である、幅広い減衰力セッティング能力を楽しむフィールドだ。
このハイエンドモデルを味わい尽くすための端緒になって欲しい。
価格22 万5600 円
対応 全車
車高調整範囲[㎜] F-85~±0,R-60~-25[2.5L2WDの場合]
バネレート[kgf/ ㎜] F6.0,R9.5
「今回、推奨している減衰力なら、嫌な突き上げ感の無いしっかりとした接地感が味わえると思います。
インチアップ車ではタイヤが吸収する衝撃が減少するのでフロントの減衰力を2~5段の範囲で柔らかくするとバランスが取れます。
また、2列目はコツコツとした細かい振動を感じやすく柔らかめ、3 列目は逆にオーバーハングが多いので硬いセッティングになる傾向です」
セッティングのコツ
POINT. 1
リアの減衰力を柔らかくし過ぎると、高速域でピッチング(縦揺れ)が発生 しやすい。
使用環境に応じたベストな数値を見つけよう。
POINT. 2
今回紹介したハイブリッド4WD以外にも3.5L車や2WD用の設定もある。
また他のグレードは説明書の参考減衰力をベースにするのがオススメ。
POINT. 3
リアの車高を-55 ㎜以上下げるとバンプラバーに接触しやすくなり乗り心地が悪化する。
減衰力を硬めにすると軽減するが細かい振動は受けやすい。
アルファード ハイブリッド 4WD
デモカーはハイブリッド4WDのアルファード。
ダウン量約50 ㎜に20インチホイールと、一般的なローダウン&インチアップ仕様となる。
この仕様での推奨セッティングデータなる。
車高F720 ㎜/ R730 ㎜
純正比F-50 ㎜/ R-55 ㎜
ホイールサイズ20×9.5J+35
タイヤ245/35R20
FRONT 16 段
REAR 12 段
加速度や車速と連動しながら設定した減衰力へとリアルタイムで自動調整するフルオートモード。
フロント16 段、リア12 段が推奨となる。
数字が大きければ柔らかく、小さければ硬くなる。
32 段階中16 段目のフロントに対して、リアは硬めの12 段。
これより柔らかいと2 列目シート以降で、ピッチングを感じやすくなる。
3.5L/ 2WDではエンジン重量によりフロント12段が推奨。
FRONT 18 段
REAR 12 段
制限速度が低く、マンホールや段差を乗り越えるシーンも多い街乗り。
オートモードと比べて、操舵輪であるフロントをやや柔らかく設定。
そうすることでギャップでの不快感を抑えるのが狙い。
好みよってカスタムするなら2~5 段の範囲の変更がオススメだ。
FRONT 12 段
REAR 8段
下道と比べても段差などが少なく、巡航速度も高い高速道路はフロント12段、リア8段と硬めのセッティングを推奨。
しっかりと粘りのある乗り味と、フワつきのないハンドリングが実現可能だ。
車高調が持つ本来の締まった走りを体感できる。
FRONT 24段
REAR 20 段
住宅街などの狭い道には目視で確認できるスポット以外にも、荒れた路面や段差が多い。
そんな速度も低い場所では、より柔らかなフロント24 段、リア20段のセッティングがオススメ。
自宅周辺がこういう環境の人はぜひ試して欲しい。
FRONT 14 段
REAR 10 段
比較的大きな幹線道路や、硬めが好みの人向けのセッティング。
街乗り[スタンダード]と街乗り[高速]の中間となるフロント14 段、リア10 段が推奨となる。
車高調に慣れた人や郊外を多く走るシチュエーションなどに向いている。
FRONT 18 段
REAR 16 段
細かい段差でのコツコツとした振動を感じやすい2列目、リアタイヤ&スプリングより後方に座ることになる3列目に座る人の為に街乗り[スタンダード]よりリアを柔らかめの16 段に設定。
3 列目だけに乗車するならもっと硬くてもOK。
2 列目もとなるとこの辺りか。
FRONT 18 段〜12 段
REAR 12 段〜8段
車速、加速度ごとに設定するMAP制御モード。
通常がフロント12 段、リア12 段。
加減速時にフロント18 段/12段に、旋回時にフロント左右16 / 14 段、リア左右18 / 16 段に変化。
車速50km/hではフロント16段、リア10段、100km/hでフロント12段、リア8段。
きめ細かいデータが与えられている。
ここまで極めれば、もはや減衰力調整名人だ。
問:ブリッツ 0422-60-2277 https://www.blitz.co.jp
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