- 週間ランキング
特に市販カーナビの市場を後押ししたのが「大画面」であることに異を唱える人は少ないはずだ。そもそもクルマのコンソールにある「2DIN」スペースに装着するAV一体型カーナビは7インチが基本。幅200mmを持つ「ワイド2DIN」を持つ車両であれば、変形で7・7型というモデルも存在したが、大画面ディスプレイを組み込むことを前提としてインテリアを設計できる純正カーナビとの差は開いていった。
そこに登場したのが、現在もアルパインやカロッツェリアの一部に設定されている車種専用のパネルや専用デザインされた大画面カーナビだ。メリットとしては純正のような仕上がりをキープしながら大画面を設置できる点。
逆にデメリットは専用品ゆえにパネル類や本体の購入に出費がプラスされることだ。そしてここにエポックメイキングとも言える商品が登場した。それが2016年3月にパナソニックがストラーダのFシリーズに採用した「フローティングディスプレイ」というコンセプトを持つ商品である。
本体ユニットは従来の2DINに収め、ディスプレイ自体を浮かせることでこれまで取り付けができない、と悩んでいた層の取り込みに成功。大ヒット商品となった。画面を無理にコンソールに組み込むのではなく、大画面にするならディスプレイ自体は外に出してしまえばいい、という従来とは逆の発想と言えるが、取り付け可能車種も2016年の発売時に144車種だったのに対し、2020年型は430車種以上まで拡大している。
それでは何故ここまで大画面カーナビが支持されたのだろうか?
家庭用のテレビであれば、大きければ迫力もあり、さらに細かな描写も楽しむことができる。この点ではカーナビも基本的な考えは同じである。しかし、カーナビの場合は地図の他、地デジなどのビジュアルソースや操作切り替えの表示など家庭用テレビとは異なる情報を表示し、操作できなければならない。さらに言えば、地図画面ひとつをとっても従来より詳細な情報が組み込まれており、運転中に注視せずに情報を瞬時に把握するためにも大画面は〝最適解〟と言える方法なのである。
画面サイズに関しては8型→9型→10型と進化し、現在は11型までラインアップされている。その中でメインとなるのが9型または10型だ。ただクルマによってはディスプレイからドライバーまでの距離が近い車両(例としては軽自動車など)の場合、10型を選ぶと一度で瞬時に情報を把握仕切れないケースもある。自分のクルマにはどのサイズの「大画面」が相応しいのかを考慮しながら、ナビ選びを楽しもう。
これから短期連載として各メーカーの大画面ナビをじっくりと紹介していくぞ!
●ナビ性能
●UI
●AV機能
●ドラレコ連動
スタイルワゴン2021年2月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]