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日本での販売が好調に推移しているJEEPブランド。そのJEEPフルラインアップオフロード試乗会が長野県白馬村で開催された。最強オフローダーのラングラーを筆頭に、グランドチェロキー、チェロキー、コンパス、レネゲードも勢揃いし、冬の間はスキー場だという最大斜度30度の急斜面に挑戦した。本領発揮なるか!
FCAジャパンは、そんな絶好調のジープを一堂に集めて「JEEP ADVENTURE at HAKUBA」と銘打ったメディア向け試乗会を開催した。
試乗コースとなったのは長野県の白馬さのさかスキー場のゲレンデそのもの。斜面にもちろん雪はないが、滑りやすい草に覆われており、最大30度に達する急坂コースである。しかも、他車とのニアミスを防ぐために走行ルートは一応定められているが、とくにダウンヒルについては「コブはあるが大きな岩などは除去されているので、基本的にどこでも自由に下ってください」という太っ腹……というか、いかにも自信たっぷりの試乗メニューが印象的だった。
今回用意された試乗車は、レネゲード、チェロキー、そしてグランドチェロキーの各「トレイルホーク」グレードに、タイヤだけ悪路性能を高めたテレーンタイヤを履かせたもの、そしてジープブランドのカリスマ的存在といえるラングラーだった。
トレイルホークとは、ジープでもとくに高い悪路走破性を与えられたグレードの名称で、ボディに「TRAIL RATED(=トレイルレイテッド)」というバッジが貼りつけられる。同バッジはジープが伝統的にテストコースとして使ってきた「ルビコントレイル(米ネバタ州からシエラネバダ山脈を越えてカリフォルニア州に伸びる全長22マイル≒約35㎞の道」において独自の過酷な悪路性能試験に合格したことを意味する。
ちなみに、ラングラーにだけトレイルホークグレードの用意がないのは、ラングラーは全モデルが最初からトレイルレイテッドだからだ。
今回はジープという世界一のオフロード名門ブランドの、とくに悪路性能の高いモデルが集められているわけで、私のような普通のドライバーがちょっとその気になったところで、人間よりクルマの限界のほうがはるかに上をいく……のが正直なところだった(汗)。
よって、どのジープも4WDを最も走破性の高いモードにセットして、下り坂でヒルディセントコントロールを作動させるだけで、たとえ全身が硬直してしまうような急勾配でも、何ごともなかったかのようにクリアしてくれた。
とはいえ、非日常というほかない大きな凹凸やうねりに連続して蹴り上げられる今回の試乗コースでは、レネゲード、チェロキー、グランドチェロキーといった四輪独立サスペンション車はすべてをサスストロークで受け止め切れずに、クルマ全体がしぱしば大きく揺れた。
しかし、こんな状況(あるいは、ラングラーにだけ許された超過酷なダウンヒル)でも、ラングラーだけは上屋がフラットに保たれる。それはバネ下が上屋から切り離されたかのように大きく伸び縮みする前後リジッドサスならではの効能が存分に発揮されたからだ。舗装路では四輪独立サスのほうが圧倒的に快適だが、極限状態では昔ながらのリジッドにかなうものはない……とあらためて気づかされた。
私も日常生活で今回のような悪路を走る機会など皆無といっていいが、こういう経験をすると「どうせSUVに乗るならジープ一択でしょ」と洗脳されてしまう。昨今のジープの好調は、一度ハマったファンが離れないおかげもあろうが、その気持ちはよく分かる。
【SPECIFICATION】
価格:612万円
サイズ:全長4870mm×全幅1895mm×全高1850mm
エンジン:V6 3.6L
パワー:284ps/6400rpm
トルク:35.4kgm/4100rpm
【SPECIFICATION】
価格:659万円
サイズ:全長4835mm×全幅1935mm×全高1805mm
エンジン:V6 3.6L
パワー:290ps/6400rpm
トルク:35.4kgm/4000rpm
【SPECIFICATION】
価格:590万円
サイズ:全長4870mm×全幅1895mm×全高1845mm
エンジン:直4 2.0Lターボ
パワー:272ps/5250rpm
トルク:40.8kgm/3000rpm
【SPECIFICATION】
価格:387万円
サイズ:全長4255mm×全幅1805mm×全高1725mm
エンジン:直4 1.3Lターボ
パワー:179ps/5750rpm
トルク:27.5kgm/1850rpm
スタイルワゴン2020年9月号より
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