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日本を代表するホイールメーカー、レイズ。F-1やWEC(世界耐久選手権)といった最高峰のレースで高性能を証明するボルクレーシングをはじめ、生粋のドレスアップブランドとしてデザイン性に優れているベルサスなど、ラインアップも多岐にわたる。そんなレイズホイールのベンチマークとして、いま注目されているのが、最新のマシニング技術A.M.T.。その誕生には、開発者たちのモノ作りへの強い信念が注ぎ込まれている。
昨年はシンガポールで行い、デザイン鍛造ホイール VMFが発表されるなど大きな話題を集めた。そんなワールドツアーが、8月に富士スピードウェイで開催されることが決定。基本的にはクローズドイベントとなるが、その様子は本誌で取材予定。ぜひ紙面でのレポートを楽しみにしてもらいたい。
ワールドツアーでは、新製品の発表に加え、スタッフ陣による開発秘話や最新技術の説明を予定されている。今回、プレイベントとして、レイズホイールのシンボルとして確立されたマシニング加工、A・M・T・の技術説明会が行われた。
「コンセプト イズ レーシング」を企業理念に、モータースポーツカルチャーの創造を目指しているレイズ。ホイールの開発には、安心・安全を提供するために軽量・剛性を追求する機能性、そしてファッションとしての価値を高めるデザイン性に注力。
そのひとつとしてレイズ独自の意匠として誕生したのがA・M・T・。これまでステッカーなどでフィニッシュされていたロゴを、精巧な彫刻で仕上げたような立体的なマシニング加工で表現。一言で立体的に削るといっても、その作業は容易ではない。
ディスク表面を塗装し、最終工程として切削していくのだが、単純な切削作業ではここまでの立体感を作り出すことはできない。このA・M・T・技術を実現させるために、工作機械から削るための刃先に至るまで、全て自社内で開発。
つまりホイールをデザイン、開発するための機材すらも作っているということ。そしてトライ&エラーを繰り返しながら、何年も時間をかけて納得いく技術を完成させた。当然これらの技術は特許取得済みである。
ホイール作りにかける信念や常に新技術を追求するチャレンジ精神、それこそが世界で活躍するレイズホイールのバックボーンであり、ホイールのトップメーカーとして走り続けている理由だ。
ステッカーとA.M.T.の違いは歴然。色褪せや剥がれてしまうかも、という心配も一切ない。
いまから8年前、A.M.T. 技術が初採用されたTE37 SL2012リミテッド。当時ステッカーだったボルクレーシングのロゴを「新しい技術で解決できないか」と考えて誕生した。ホイールの場合、切削する面がフラットではなく曲面の連続。そんな不安定な場所にどう切削するか、何度も挑戦し続けた。その結果、現在のA.M.T.が生まれた。
レイズエンジニアリング
設計開発部 伊藤和則部長
マシニング技術と特殊塗装の融合
REDOT(アール・イー・ドット)
レイズの新しい特許技術として、最新ホイールの多くに採用されているハイブリッドマシニング。これは2つの面を1つのデザインとして融合する技術。ダイヤモンドカットで処理した2次元面と、マシニング加工した3次元面、加工形態が異なる複数の加工方法で、連続するデザイン面を一体化。光の当たる角度によって、それぞれの面が美しく輝く質感も魅力。また今回のプレイベントでは、レイズ執行役員の加藤氏から、特許技術に関する強いこだわりも語られた。「A.M.T.やハイブリッドマシニングは、多くの技術者がトライ&エラーを繰り返して取得した特許技術です。レイズホイールの象徴的アイコン、コピーガードとしての役割も担っていますが、企業の独自性を守るための特許でもあります。残念ながらA.M.T.に関しては当社の特許権を侵害した商品が市場でまだ見受けられます。一定期間過ぎても発売されてる場合は次の手段に移行させてもらいます」。
レイズ執行役員
第一商品企画部部長 加藤照幸さん
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]