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手元で瞬時に減衰力をイジれるからこそ、茂出木シェフはクルマの動きをより研究するように。ブレーキングする際の適正な荷重移動を考えてブレーキチューニングに行き着いた。
老舗洋食店「たいめいけん」の三代目にして大のクルマ好き。そんな茂出木シェフはけっこうな飛ばし屋だった。サーキットはおろかストリートであっても、800psを超えるようなスーパーカーの潜在能力を極限まで引き出していたと聞く。いや、もちろんすべて夢の中の出来事である……。
だからこそダンパーZZ-RスペックDSCプラスに変えてから、アルファードのステアリングを握る機会が増えた。
仕事の移動はもちろん、車内のコントローラーを使って相応に引き締めたら、高速道路を使って遠方までひとっ飛び。ここ最近でこそ自粛要請のために控えているというが、海へ山へ繰り出すレジャーツールとして使い倒したくてたまらなさそうである。
そんな日々の中で、茂出木さんは次なる欲望が。前後左右の減衰力を自在にイジれるのだから、アルファードの挙動特性をより自分好みにしたくなったらしい。となると、欠かせないのはブレーキだ。
ブレーキはただ止まるだけのものじゃない。曲げるための〝荷重移動ツール〞でもある。そこに目をつけた茂出木さんは、同じくブリッツのブレーキシステム(ビッグキャリパーキットⅡ)を導入することになった。もちろん制動力向上の意味合いもある。
ただでさえヘビー級のアルファードで、ミニバンボディは重心だって高い。さらに茂出木さんは趣味の道具をパンパンに積むことも多い。そんな悪条件の中でも、気持ち良く走るためには、気持ち良く止まれなければならない。
実際、絶対的制動力よりもむしろ気に入っていたのはブレーキフィールだった。「ちょっと軽薄でスイッチみたいだった純正のフィールが、よくできたスーパーカーのような剛性感とリニアなフィールに変わった」とお気に入りの様子だ。
こうして仕上がったブレーキと足まわりによって、アルファードがより重厚かつ高級感のある乗り味になった。マネージャーが運転して後席に乗る際もカックンブレーキで身体が揺さぶられる頻度がめっきり減って、ぐっすりと眠れるようだ。
しかも真っ黒なボディカラーとホイールの中で、鮮やかなレッドキャリパーが差し色になって、ドレスアップにもなる。と、一粒で二度も三度も美味しいのがブレーキチューニングだ。
これを走りのスポーツカーのためのものだけに止めておくのはもったいない。走行性能にとっては不利な側面があるミニバンにこそ、むしろオススメしたい。
「アクセル全開で首都高を駆け抜けても少しも不安がなくなった」とご満悦で職場に戻っていったが、そんな首都高のハナシだって、もちろんすべて夢の中の出来事である。
ブリッツがアルヴェル用に設計開発したフロント用のビッグキャリパーキットⅡ。4ポット鍛造キャリパーに355Φのスリットローター、ステンレスメッシュのブレーキホース、専用パットがセットになったオールインワンパッケージだ。制動力向上はもちろん、リニアなペダルタッチを実現する。チラリと顔を覗かせるメタリックレッドキャリパーはドレスアップ性も抜群。もちろん車検対応品だが純正ホイールだと干渉するので、クリアランスを見越したアフターホイールの装着が必須となる。ブリッツ側は寸法をすべて公開する。
「気持ち良く走るためには気持ち良く止まらないと」
たいめいけん三代目 茂出木 浩司さん
取材協力:
たいめいけん
https://www.taimeiken.co.jp
ミストラル 03-5566-0259
http://mistral-co.jp
商品の問い合わせ:
ブリッツサポートセンター 0422-60-2277
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