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これによりバッテリー残量が許す限りはEVさながらに、エンジンを始動することのないモーターのみでの走行が可能であり、充電スポットはもとより家庭での充電もできる、というのが同じ車名でも“PHV”の3文字がつくことの大きな違いだ。
プリウスもEV走行はできるが、その航続距離は2㎞ほどであり、最高速度は55㎞/h。対してPHVは26・4㎞の航続距離に最高速度100㎞/hと、その差は歴然。また、バッテリー残量がなくなってもハイブリッド走行になるところがEVとの違いであり、ガソリンがある限りは走行可能距離の心配をすることもなければ、充電スポットを探す必要もない。
しかも燃費は61・0㎞/ℓ(プラグインハイブリッド燃費・複合燃料消費率)。さらにハイブリッドのみの燃費でもプリウスを上まわる31・6㎞/ℓ(JC08モード)だ。現在のところ、もっとも実用に叶うエコカーの最右翼といって間違いないだろう。
今回の試乗では乗り出しのバッテリーはほぼ満充電でメーター内に表示されたEV走行可能距離は24㎞弱を表示。早速モードスイッチを「EV」にして走り始めれば発進時から完全にEV走行だ。プリウスの場合だとアクセルの踏み方次第ですぐにエンジンが始動してハイブリッド走行に移行してしまうケースが多いが、PHVでは、特別アクセルコントロールを意識しなくてもEV走行のまま速度を上げてゆく。完全なEVだ。
もっとも途中でバッテリー残量がなくなり、試乗後半はハイブリッド走行となったが、結果的にEV走行のお得感、EVのように航続距離の心配をすることのないハイブリッドのメリットの双方を短時間で体感できたというわけだ。
試乗中、燃費のことは完全に無視してドライブしたが、それでも29・2㎞/ℓを記録。仮に省燃費運転に徹すれば、まだかなりの伸びしろがあると思わせる。ちなみにこの燃費は、PHVに標準装備のPHVドライブサポート(3年間無料)に含まれる「eコネクト」によるスマートフォンに送られてきたデータを確認してのものだ。
充電状況の確認やエアコン操作など、スマートフォンを利用してのサービスも“PHV”ならでは、といえる。
※記事の内容、価格、スペック等は2012年1月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。
※スタイルワゴン2012年6月号より