フィット+スペース=シャトル

しなやかな走りと優れた燃費性能を

両立させたコンパクトワゴン



HONDA/FIT SHUTTLE

ホンダ・フィットシャトル(GG7/8 GP2 前期) 2011年6月発表





アメリカ仕様のフロントフェイスでフィットと差別化

フィットのワゴン版ともいうべきフィットシャトルが、晴れてユーザーの元へ届けられるようになった。先の震災の影響によりエネルギーインフラに対する世の中の関心が以前よりも大幅に高まり、これまで以上にハイブリッドカーに注がれる視線が熱いものになったことは、ひと足早く発売にこぎ着けたプリウスアルファの人気ぶりにも現れているといっていいだろう。


そんな中でフィットシャトルは、サイズ的にも価格的にも、より身近なスペース系ハイブリッドカーとして、やはりユーザーからの期待は大きかった模様だ。すでに予定の3倍となる1万2千台越の受注を受けたという。


とはいえ、フィットシャトルにはフィット同様、ハイブリッド車とガソリン車がある。果たして現時点での受注の内訳はといえば、その9割弱がハイブリッド車とのこと。さすがにハイブリッド、恐るべしだ。


今回の取材でも、まず期待はハイブリッド車。しかも試乗してみると、その期待をはるかに上まわる出来映え。さらに予想外といっては失礼だが、ガソリン車もハイブリッド車に負けないくらい魅力的なクルマに仕上げられていることに驚かされた。


まず、両者に共通していえるのは、実に上質で静かで快適で、およそコンパクトカーベースとは思えない、そんなことはすっかり忘れてしまうほどの乗り味を備えていることだ。仮にワンクラス上のサルーンと比較しても引けをとらないといってもけして褒めすぎではないだろう。


フィットよりもしっとりとした上質な走りを狙ったとの言葉にウソはない。ヤワではないのに乗員にとても優しく、けして硬くはないけれどしっかり感がある、そんな乗り心地の好感度は高い。


また、インテリアも専用のダッシュボード表皮やメッキパーツなどを配して、フィットよりも質感が高められているのだが、このインテリアのテイストと乗り味が実に上手くシンクロしている。そのため走り、インテリア双方の満足度の高さが、より一層際立って感じられる。こうした感覚は一定以上、上のクラスのクルマでないとなかなか得られるものではない。




乗り心地を重視し、フィットとは異なるテイストを披露

試乗前から心配していたのは、ハイブリッド車のハンドリング、リアサスまわりに起因するクルマの挙動だ。これはインサイトやフィットハイブリッドに乗ってもどうしても気になってしまったところ。


ハイブリッドのIPUをリアに抱えているため、多少は致し方なしと考えるべき側面でもあった。


それがどうしたことか。シャトルハイブリッドでは、たとえばレーンチェンジなどのシーンでヌタッと遅れ気味についてくるようなリアの動きが解消されている。また、無理にロールを抑え込んでいるかのようなサスフィールもない。操舵に対しての動き出しが良くなり、リアサスは適度なストローク感があって良い意味で粘ってくれる。


もちろんこれをもってスポーティなフィーリングとはいわないが、シーンを通じて心地の良い走りになったことは間違いない。


これはボディやリアサス周りの剛性アップやフィットハイブリッドに標準の175/65・14タイヤに対して、185/60・15タイヤを標準としたことなどが功を奏した模様。同時にボディ前後の重量バランスが上手いところに落ち着いたことも一因のようだ。ちなみにガソリン車の方が安定志向が強いリアの挙動が感じられた。


ハイブリット車、ガソリン車ともに、パワートレーンはフィットから譲り受けた一方でボディ重量は60㎏ほど重い。このあたりの影響が懸念されたが、両者ともにそのハンデを感じることはなかった。


ハイブリッド車は、発進、加速時などでのモーターアシストによるトルク感がしっかりと出ており、滑らかな加速フィールを伴いながらクルマを走らせる。ワングレード上のクラスを思わせ、けして乗り味を損なうような力不足や非力さを感じることはない。この走りで20㎞/ℓ前後、あるいはそれ以上の実用燃費を期待出来るのはやはり大きな魅力だ。


一方のガソリン車は、ハイブリッドに比べれば低速域でのトルク感が当然ながら薄くなるが、これはあくまでも比べればの話。フル乗車、フル積載時でもない限り全域を通じて力不足を感じることはないだろう。それよりもポンッとアクセルを入れた時、スッとステアリングを切った時、当たり前のように行っている運転操作ひとつひとつに対しての感触がとても良い。


フリクションロスの少なさを想像させるエンジン回転のスムーズさ、転がり抵抗の少なさを感じさせるクルマの走りというか動き。それらと合わせてとても好感度の高いクルマになっている。


ハイブリッド車ほどの燃費の良さを期待しなくても良いのであれば、車両価格がお求めやすくなるガソリン車という選択も充分アリだ


FITと同じハイブリッドシステムを採用。約60kgの重量増加にも関わらず、エンジンのフリクションロスを低減するなどして、10・15モードでフィットと同じ30km /ℓをマーク。


インパネ周囲はフィット同様のデザインだが、革シボのインパネやメッキの加飾などにより質感が高められている。




スウェード調ファブリックとグランスムースという合皮によるシート表皮も高級感あるインテリアメイクにひと役かっている。


ホンダ独自の低床設計により5ナンバーのコンパクトカーとは思えないほどの広いラゲッジ。ハイブリッド車でも517ℓを確保した。


1.5ℓ直4SOHCエンジンを搭載するガソリン車。こちらの10・15モード燃費もフィット同様の20km/ℓを実現。優れた燃費性能はフィット・シリーズ共通の特徴だ。




MUGEN(無限)・フィットシャトル


エキサイティングなスタイルでダイナミックな走りを演出



「Dynamic &Exciting」をコンセプトにドライビングの楽しさを表現したアイテムが揃う。




エクステリアはフロントアンダースポイラー/サイドスポイラー/リアアンダースポイラー/ウィングスポイラーの4点を用意。フロントスポイラーはLEDフォグ同時装着/標準装備フォグライト同時装着/フォグライト非装着の3タイプあり。イグニッションオンで「HYBRID」のイルミが光るハイブリッドイルミネーショングリルがワンポイントのアクセント。


16×6.5Jサイズのアルミ「XJ」。シルバースポーク/ブラックメタルコートの2タイプ。15インチの「NR」もある。


デルタフィニッシャーを採用したハイブリッド専用スポーツサイレンサー。


ダイナミックな印象のカーボンルームミラーカバー。


機能的なスポーツマット(前/後セット)。写真のブラック×レッドとブラックの2色。


ドライカーボン素材を使ったカーボンドアミラーカバー。


ブルーの鏡面が紫外線や太陽光のまぶしさを軽減すると共に親水コートで雨天時の視界も確保したハイドロフィリックミラー。


Modulo(モデューロ)・フィットシャトル


個性的なスタイルを生み出す



個性を際立たせるアイテムをラインアップした純正パーツの「Modulo」。エクステリアでは、躍動的なシルエットを生み出すセパレートタイプのフロントロアスカート、バンパー下部に存在感を加えるロアガーニッシュ、フロント同様にセパレートタイプでリアビューをクールに引き締めるリアロアスカートなどをラインアップ。アルミホイールも15~16インチで全5タイプを揃える。室内ではレカロのスポーツシートを用意するほか、車内を光で演出するステップガーニッシュ/カップホルダーイルミ/フットライトをワンセットにしたインテリアイルミネーションセットがお得。





※記事の内容、価格、スペック等は2011年6月のデビュー当時のものです。その後の一部改良等で変更になっている可能性もあります。


[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]



情報提供元: ドレナビ
記事名:「 ホンダ・フィットシャトル(2011年6月〜2013年8月)|中古車選びに役立つ「当時モノ」新車試乗記