ダウンサスと違って好みに応じた車高調整ができ、エアサスよりも安く、低いまま走れる。そんなローダウンの本命というべき車高調だけど、構成パーツや機能は意外と複雑。正しい使い方も含めて、改めて復習します。
ストローク量を減らさず落とせるのが全長調整式
かつては「ネジ式」と呼ばれる車高調が多かったが、現在は「全長調整式(フルタップ式)」が主流。ロアブラケットの調整により、ストローク量を保ったまま車高をダウンできるのがメリットで、今は車高調といえばほとんどがコレだ。
ちなみにネジ式は、スプリングシートの位置を下げる(=その分縮み側のストローク量が減る)ことで車高を落とす方式のため、ベタベタにしようとすると、ショックが底付きしてしまったり、スプリングが遊ぶ等のデメリットがあった。
「ということで、当社ではすべて全長調整式を採用しています」とブリッツの小林徹さん。
またショックの硬さを調整できる「減衰力調整機能」を搭載する車高調も多いため、自分好みの乗り味に近づけやすい。その他、アッパーマウントでキャンバー調整可能な商品もあったりする。
参考にしたキットはコレ!
ブリッツ・ダンパーZZ-R
街乗りを中心として、峠やサーキット走行までイケるオールマイティな全長調整式車高調。単筒式を採用し、減衰力は32段階で調整できる。3年間or走行6万㎞までという手厚い保証付き。
アッパーマウント
車高調の上側をボディに固定する部分。シート部はアルミ製が多く、ジョイント部はゴムまたはピロが使われる。キャンバー調整機能付きのモノもあり。
減衰力調整ダイヤル
回すと「カチカチ…」というクリック音&手応えが発生。時計回りで硬く、反時計回りで柔らかい方向に調整できる(1回「カチ」という度に1段階動く)。
スプリング
車重を支え、路面から受ける衝撃を吸収。ショックと組み合わせることで素早く揺れを収める。硬さ(=バネレート)や自由長は車種や製品によってさまざま。
ショックアブソーバー
内部にオイルやガスが封入されており、その中でピストンを上下させることで減衰力が発生。仮にこれが機能しないと、スプリングの動きを制御できず跳ねまくる。
ダストブーツ
ショックの内部に砂やホコリといった異物の混入を防ぐためのゴム製カバー。経年劣化により割れたり裂けたりするので、そうした場合は交換を推奨。
バンプラバー
ショックが限界まで縮んだ際、内部のロッドが底付きする直前で止めてくれるパーツ。これがないと破損に繋がる。ラバーというが素材はウレタンが多い。
アジャスター
ワゴン系はリアのスプリングとショックは別体であることが多い。そのため、リアはこのアジャスターを使ってスプリングの位置を変え、車高を調整する。
ロアブラケット
車高調の下側とアーム等を繋ぐパーツ。全長調整式の場合、この内側にネジが切られており、ショックの差し込み加減により車高を調整できる仕組み。
スプリングシート/ロックシート
スプリングシートはその名の通り、スプリングの位置を決める台座の役割。ロックシートはスプリングシートやブラケットをしっかり固定する緩み防止パーツ。
スタイルワゴン2019年10月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]
情報提供元: ドレナビ